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ぼくたちの女災社会

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男性差別・人権問題の発展的内容

前半に男性差別(筆者は考えあって「男性差別」という表現が嫌いだそうですが)≒「女災」の概要を書き出し、後半はその社会背景を述べる、というスタイルの本です。

既存の男女問題(特に女性問題)について書かれた本には一方的に男性を非難するばかりの論調の本もありましたし、女性差別本の多くはひどい書き方で書かれていると聞いたこともあります。けれど、本書はそんなひどい言い方をしている本ではなく、冷静な口調で書かれてあります。

社会分析に重きが置かれ、筆者のおっしゃる「女災」に対しては どうしていけばいいのか という「対策・方案」はほとんど書かれていないのは残念な点でした。私の申し上げている「対案・方策」になり得る内容は、本書の最後部にかろうじて「男女とも『女災』に気づいてもらうこと」という旨の記述があったくらいです。

また、
筆者自身が筆者のおっしゃる「女災」に気づいたきっかけを書いた章がありましたが、これは書かない方がよかったかな…。「モテない男の愚痴」としか言えない・考えきれないレベルの愚者に付け入る隙を与えそうだから。女に限らず「バカマッチョ」からも。

この本は、
言うなれば「男性差別本」の中でも既に「上級・発展的内容」の域に入っている感じがします。筆者は大変いろいろなことを勉強されているようで、本書の文章やネット上での書き込みからもその教養の高さを感じます。
しかし、本書の売れ行きに関してはかえってそれが仇になってしまい、2013年時点よりも『女災』が認識されていなかったであろう2009年時点では『女災』を認識されていない一般消費者に受け入れられず、わずか数年で絶版の憂き目に遭ってしまったのではと想像すると残念でなりません。

蛇足ながら私が筆者のおっしゃる『女災』をはっきりと認識できたのは2010年の時です。それまでは漠然とした違和感をずっと抱くばかりでした。なんかおかしい、と…。

2013/12/15