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菊坂ホテル
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明治から大正にかけての幻想
上村一夫が描く20世紀末の日本は明治大正の浪漫にあふれています。
文壇の活躍した時代をまるで見てきたようにありありと描いているので本を読みながらタイムスリップしてしまうくらい魅惑的です。
本郷に実際にあった菊坂ホテルに竹久夢二、谷崎潤一郎などが行き来します。
彼の描く本郷の街。文庫で復刊された「一葉裏日記」ともども読んだあとに、菊坂を歩いてみると、今はない時間の中で確かに生きていた作家たちの空気さえ感じられるようです。当時の世相さえ漂っているような気さえしてきます。
2019/07/03