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ぼくのおじさん

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おじさんはどこにいったのか

山下敦弘監督がぼくのおじさんを映画化すると聞いたとき(2016)どんな原作だろうかと図書館で借りて読んでみました。和田誠さんの装丁を手に取った瞬間感じました、これはまちがいないと。白い箱のような本は、軽やかでくっきりとして手に持った感じがなんかこういいんです。
少し読んでみて、声に出したいと思いつき、友達と交代しながら音読しました。しっかりものの小4のユキオがみるおじさんを含めた大人たちがユーモラスに描かれて、どこか批判的なんだけど、でもちゃんと公正な姿勢で接するところが読んでいて心地いい。もちろん主人公のだめなおじさんのだめっぷりが本当におかしいというのが、友達と読んでいて一緒に笑っていました。だめなんだけど、どこかあこがれるところがあるし、こういう人もきっとこの世界に少しは必要だよななんて思ってしまいます。そんな愛しくなるような物語でした。これは傑作だとか、文学的な価値がどうとかそういうものではないけれど、個人的に大切になった一冊でした。
読んだ後もおじさんたちはどうしてるかなとか、おじさんならなんと言い訳するだろうとか、思い出したりしてひとりであきれた顔をすることがあります。
そういえば、椎名誠さんのアイスプラネットも似たような設定(あのぐうちゃんはつめを隠したすごい人物だったけど)だけど、こういうだめで謎なおじさんという大人ものってかつては小説に限らず他にもいろいろありそうで、懐かしく感じたのですが、最近はこんな家族のあり方が現実的ではなくなってきたのかな。

映画はまだ見ていないんだ、そのうち。

2017/08/27