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【バーゲンブック】吉田豪の巨匠ハンター

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あっけらかんと巨匠の鬱屈を笑い飛ばす

掲載されているのは、いずれ劣らぬアニメ界の巨匠十傑。通底するのは、「アニメ界に西崎義展/宮崎駿/手塚治虫が残した爪痕」についての話。巨匠たちは、いずれも自身の業績を誇らない。謙遜からくるものではなく、率直にカルチャーとして一段低い所に自分達を定義しているのだろう。つまり、基本的に彼等は鬱屈としているし、自分達が周囲から受けた仕打ちは死ぬまで忘れない。だからこそ興味深い語りはいつまでも新鮮さを失わないのだが。
そんな巨匠たちの鬱屈を、「ダハハハハ!」と笑い飛ばす、吉田豪の話術。無神経なのではなく、時間が経った/赤の他人が聞いているからこそ、面白い話として昇華している。そのインタビュー術が巧みであるからこそ、相手の話がどんどん引き出されていく。

2024/05/05