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理性と実存 五つの講義 <リベルタス学術叢書 12>

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真実と現実

西洋哲学は理性を通して真実を探求してきたといっても過言ではないでしょう。それによって多くの思想や科学が発展してきました。
しかしそのために現実を生きる我々の存在(実存)は無視されてきた。キルケゴールとニーチェは「実存」に着目し自らの哲学を構築しました。
そしてヤスパースは理性と実存の止揚を目指しました。

さて本作は前期の『哲学』と後期の『真理について』の中間にある作品です。抱越者、哲学的論理学、哲学的信仰など術語も登場します。
ヤスパース哲学の魅力は理性と実存の調和にありますが、本作でスタンスが定まったといえるでしょう。
先行して刊行された『哲学入門』・『実存哲学』とともにご堪能ください。

2023/03/13