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貞慶 『愚迷発心集』を読む 心の闇を見つめる
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徹底した自己凝視
大乗仏教の多くの宗派はすべての存在が仏になると説きます。しかし法相宗のみが仏になれない存在がいると説きます。
もちろんこれは意地悪しているのではなく徹底した人間観察から生じます。そして日本法相宗を代表する貞慶もまた人間の愚かさを描きます。
『愚迷発心集』という題も人間の「愚迷」を見つめ、神仏の慈悲にすがり「発心」せよということです。
貞慶の自己凝視は苛烈に思えますが、その先に清冽な世界が広がっていきます。
2022/09/07