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精神現象学 上

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汝自らを知れ

バートランド・ラッセルは「西洋哲学史はプラトンの解釈である」と述べたいう。そしてプラトンの思想を要約するならば「汝自らを知れ」の一言で表せるだろう。
さてヘーゲルに先行するカントは『純粋理性批判』において理性の枠組みを示した。その後、フィヒテやヘーゲルらはいかにカントを超えていくか目指した。そして精神の発展を描いた『精神現象学』は一つの頂点を言っても過言ではないだろう。
ヘーゲル以後もフォイエルバッハやマルクス、「カントに帰れ」と唱えた新カント派、ニーチェやキルケゴールなどの実存哲学など新たな発展があるがここでは割愛する。
さて熊野氏の翻訳といえど、哲学書の中でも難解とされる『精神現象学』を読み解くのは難しい。しかし訳語を工夫したり小見出しを付けるなど工夫がされており初学者でも何とか読み通せるようになっている。ファーストチョイスにいいだろう。

2022/04/14