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平成史 完全版

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平成は単に昭和の半分、大正の二倍の年数ではない

平成の30年間(正式には30年113日)はいい意味でも悪い意味でも波瀾万丈に富んだ昭和、約15年しかなかった大正を足して2で割っただけが平成ではないという視点から平成史を振り返っている。
平成は天皇の生前退位によって、30年で終止符を打ったが、本書は生前退位をせず、天皇が崩御するまでが平成であるという視点にも立っている。つまり、令和ではなく、平成がまだ続いているという観点で平成史を回顧している。これはもっともな考えであり、平成天皇明仁は上皇としてまだ存命しており、彼が崩御するまでが平成であり、令和は単に天皇がチェンジしたに過ぎないという考えである。元号が令和であっても、それは天皇には定年というものが存在しないから、生きている限り、天皇としてあり続けなければならない。それができなくなったから、平成天皇明仁は生前退位という依願退職の方法を取ったのであり、明治以降、元号は天皇に即位してから崩御するまでに改められていることを考えれば、平成のピリオドは異質であり、平成はまだ続いているという考えも納得できる。
本書では言及してはいないが、平成天皇明仁(上皇)はいつまで存命するのかという含みも持たせている内容になっている。生前退位は寿命が延びたことに対する副産物と言えよう。
本書はまだ未完成であると考えている。平成天皇明仁(上皇)が逝去して、平成が完全に幕を閉じるという考えであれば、おそらく、改訂版が出ると思う。その改訂版こそ、真の平成史であると考える。

2019/07/16