レビュー一覧
読後レビュー
全2件
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心を抉るすさまじい作品
中原中也が思っていたより自由で奔放で前衛的で、クレイジーだった。普通の人の様な禁欲的な小林秀雄との対比でそれが一層際立つ。
奔放すぎる魂ゆえに、認められない中也と着実に地位を固めていく小林と。
何が違ったのだろうか。中也を天才と認め、焦がれたのは小林だったはずなのに。
表現で心を抉る、すさまじい漫画でした。 (2016/08/12) -
ずっと復刊待ち望んでました!
はじめて見たときから古書店で、あまりの衝撃に、それ以来見つけては友達に渡してましたので、この度復刊してもう一度この作品が世にでることが心から嬉しくてたまりません。
中原中也というとリリカルな詩の印象しかなかった
高校生までの私でしたが
この作品の中で赤い血の通った、甘ちゃんで
自分勝手でどこまでも一途で破天荒な姿を見れて
一発で好きになりました。
美しいだけじゃない表現の中から零れ落ちてくる
ガラスの破片のようなキラキラは、
触るときっと怪我をするけどとても
もろく美しい。
小林の気持ちがよくわかって、ドキドキしました。
どんなBLよりBLです!
曽根先生の作品はひとみ時代からずっと追ってますが、
この頃に描かれた作品は特に情熱的でアグレッシブで、
きっと、この時にしか描くことができなかったんだなあと、今なら思います。
それでも、作品は残って、こうしてまた読まれるんですね。
ずっと読み継がれていってほしいです。
宝物のような作品です。 (2016/08/05)
通りすがり