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朝日の恋人(上)

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突出したヒロインの造形

梶原一騎作品に登場するキャラクターは非常に特徴的かつ類型的だ。ヒーローたる主人公の男はあくまで強く暴力的でさえある一方、ヒロインは常に外形的に美しく、天使のように優しく、そして強靭なメンタリティを持っている。「愛と誠」の早乙女愛しかり、「夕やけ番長」の水の江洋子しかり。
そうしてこの「朝日の恋人」の天地真理もその造形を踏襲しているが、先の2作に比べてより強烈な印象を残す。それはこの作品ではヒーローよりもヒロインに力点が置かれているからだ。少年向けの漫画の主人公が女であることの倒錯が、健康的なエロティシズムを発散し、梶原一騎特有の男系思想もここではなりを潜めている。
作画のかざま鋭二のタッチが、印象をより強めているのは言うまでもない。

2017/08/03