雪原にひとり囚われて -シベリア抑留十年の記録-
坂間文子
著者 | 坂間文子 |
---|---|
出版社 | 復刊ドットコム |
判型 | 四六判・上製 |
頁数 | 300 頁 |
ジャンル | 文芸書 |
ISBNコード | 9784835454153 |
商品内容
復刊投票リクエスト300票超の名著がついに復刊!
第二次世界大戦後、シベリア抑留を経験した日本女性が
赤裸々に明かす恐怖の収容所生活の内幕とは!?
累計300票以上を集めた名著が新装版でついに復刊決定です!
シベリア抑留体験記は今日まで数多く出版されていますが、民間人で女性の抑留体験記は非常に珍しいものです。
作者である坂間文子さんは、旧満州・大連にあった旧ソ連領事館で日本語を教えていたことから終戦後にスパイ嫌疑をかけられてシベリアに連行され、約10年もの間、抑留されました。
本書では、その時坂間さんが経験した旧ソ連の恐怖の収容所生活が赤裸々に描かれています。
坂間さんはなぜこのような悲惨な体験をしなければならなかったのでしょうか!?
戦争を決して身近なものにせず平和な世の中を未来に受け継いでいくために、
私たちにできることはなにか…。
本書復刊がそのことを考えるひとつの契機となれば幸いです。
▼目次より
逮捕と監獄 1945年9月~1946年6月
ラーゲル 1946年6月~1950年7月
流刑地へ 1950年7月~1950年12月
流刑地にて 1950年12月~1953年夏
流刑地からの帰国 1953年~1955年4月
▼本文より
一九四五年(昭和二十年)十一月のある日、私を乗せた列車は、大連の駅を離れた。街にはアカシヤの葉が音もなく散り敷いて、早い冬の訪れを告げていた。
私の周りには、私と同じように、ソ連軍に捕えられ、監獄からトラックで列車に運ばれてきた大勢の人々がいた。列車がどこへ行くのか、これから自分たちがどうなるのか、誰にもわからなかった。乗せられた列車は、南満洲鉄道時代の客車で、私たちには馴染深いものだったが、窓の内側から頑丈に打ちつけられた木の板が、否応なしにこれが囚人列車であることを私たちに思い知らせるのであった。
~中略~
どれだけこの身が守れるものか……私には自信がなかった。何よりも、私を守ってくれる法律はなかった。私は敗戦国の女だった。すべての秩序は、八月十五日とともに崩壊していた。無法も正義となる勝利者の論理がまかり通っている今、か弱い女の抵抗などが、なんの助けになるだろうか。
絶望的になった私は、寝台に身を投げた。
▼著者プロフィール
坂間文子(さかま ふみこ)
1909(明治42)年、旧満州(現在の中国東北部)大連に生まれる。 大連神明高等女学校・大連語学校英文科を卒業。1943(昭和18)年、大連にある旧ソ連領事館の日本語教師となる。1945(昭和20)年の終戦時に、領事館の日本語教師という経歴がスパイ嫌疑につながり、進駐してきた旧ソ連軍に国事犯容疑で逮捕される。約10年にわたる抑留生活の後、スターリン死去後の1955(昭和30)年4月、46歳の時に帰国。
その後、1975(昭和50)年に講談社より『雪原にひとり囚われて シベリア抑留10年の記録』を発表。同年、第2回日本ノンフィクション賞(角川書店主催)佳作。その他、著書に『生きながらえて夢』(日本図書刊行会刊)など。
※本書は、『雪原にひとり囚われて』(1975年 講談社刊)を組み直し、新装版として出版するものです。
(c)坂間文子
協力:坂間雅
第二次世界大戦後、シベリア抑留を経験した日本女性が
赤裸々に明かす恐怖の収容所生活の内幕とは!?
累計300票以上を集めた名著が新装版でついに復刊決定です!
シベリア抑留体験記は今日まで数多く出版されていますが、民間人で女性の抑留体験記は非常に珍しいものです。
作者である坂間文子さんは、旧満州・大連にあった旧ソ連領事館で日本語を教えていたことから終戦後にスパイ嫌疑をかけられてシベリアに連行され、約10年もの間、抑留されました。
本書では、その時坂間さんが経験した旧ソ連の恐怖の収容所生活が赤裸々に描かれています。
坂間さんはなぜこのような悲惨な体験をしなければならなかったのでしょうか!?
戦争を決して身近なものにせず平和な世の中を未来に受け継いでいくために、
私たちにできることはなにか…。
本書復刊がそのことを考えるひとつの契機となれば幸いです。
▼目次より
逮捕と監獄 1945年9月~1946年6月
ラーゲル 1946年6月~1950年7月
流刑地へ 1950年7月~1950年12月
流刑地にて 1950年12月~1953年夏
流刑地からの帰国 1953年~1955年4月
▼本文より
一九四五年(昭和二十年)十一月のある日、私を乗せた列車は、大連の駅を離れた。街にはアカシヤの葉が音もなく散り敷いて、早い冬の訪れを告げていた。
私の周りには、私と同じように、ソ連軍に捕えられ、監獄からトラックで列車に運ばれてきた大勢の人々がいた。列車がどこへ行くのか、これから自分たちがどうなるのか、誰にもわからなかった。乗せられた列車は、南満洲鉄道時代の客車で、私たちには馴染深いものだったが、窓の内側から頑丈に打ちつけられた木の板が、否応なしにこれが囚人列車であることを私たちに思い知らせるのであった。
~中略~
どれだけこの身が守れるものか……私には自信がなかった。何よりも、私を守ってくれる法律はなかった。私は敗戦国の女だった。すべての秩序は、八月十五日とともに崩壊していた。無法も正義となる勝利者の論理がまかり通っている今、か弱い女の抵抗などが、なんの助けになるだろうか。
絶望的になった私は、寝台に身を投げた。
▼著者プロフィール
坂間文子(さかま ふみこ)
1909(明治42)年、旧満州(現在の中国東北部)大連に生まれる。 大連神明高等女学校・大連語学校英文科を卒業。1943(昭和18)年、大連にある旧ソ連領事館の日本語教師となる。1945(昭和20)年の終戦時に、領事館の日本語教師という経歴がスパイ嫌疑につながり、進駐してきた旧ソ連軍に国事犯容疑で逮捕される。約10年にわたる抑留生活の後、スターリン死去後の1955(昭和30)年4月、46歳の時に帰国。
その後、1975(昭和50)年に講談社より『雪原にひとり囚われて シベリア抑留10年の記録』を発表。同年、第2回日本ノンフィクション賞(角川書店主催)佳作。その他、著書に『生きながらえて夢』(日本図書刊行会刊)など。
※本書は、『雪原にひとり囚われて』(1975年 講談社刊)を組み直し、新装版として出版するものです。
(c)坂間文子
協力:坂間雅
読後レビュー
全1件
-
シベリア抑留
シベリア抑留がよくわかります。衝撃の一冊です。 (2016/08/25)
復刊投稿時のコメント
全299件
-
おもしろい (2020/05/08)GOOD!0
-
興味があるので読みたいです。 (2017/03/29)GOOD!0
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厳寒の地で苦労し不幸にも亡くなられた人たちや遺族の苦労について知りたい。二度と戦争の起こらない世界を築きたい。 (2016/04/12)GOOD!1
-
シベリア抑留と現代の北朝鮮拉致被害とは共通点があると思う。かつては戦争に負けた事と、なおかつ日本に戦争責任があったからといった後ろめたい気持ちでこういった理不尽な史実を直視して来なかったGOOD!6
戦後日本人ではあるが、もうそろそろ真実に立脚した連合国側の犯罪的行為も是是非非で論議されてしかるべしと考えるものである。 (2015/03/16) -
現在手に入らないことに驚いた。 (2014/05/10)GOOD!0
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