| 著者 | V.ジャンケレヴィッチ 著 / 仲澤紀雄 訳 |
|---|---|
| 出版社 | みすず書房 |
| 判型 | A5 |
| 頁数 | 528 頁 |
| ジャンル | 文芸書 |
| ISBNコード | 9784622018919 |
人間の永遠のテーマである<死>を主題として奏でるポリフォニックな思索世界。三つのモチーフ<死のこちら側の死><死の瞬間における死><死のむこう側の死>の展開によって、完璧に、精妙に演じられる一大交響曲といえよう。
昨日『死』を読み始めた。一挙に私は、密度が高く胸の高鳴る文章に熱中し、魅了された。ソルボンヌ大学で彼の講義をしばしば聴講し、私の内的苦悩に照応する稀な哲学者の一人だという印象を得た。この本もそれを証拠立てている。私の心を打つのは、人間的経験のさまざまな秩序だ。この差異が内的に深く「人格」の差異と結びついている。この間題は、日本語文法の人称の問題を取扱う必要のあった時、私の心を占めていたことだ。「実存」の問題がはじめから記述の中心に位置している。「経験」の単独性は、死の事実によって否み難く実証される。それは経験の最も鋭い特徴ではないか。愛と死の近似性に私は強い関心をもっている。それがどうあろうと、それを深める前に先ず、この驚くべき書物を読まねばならぬ。読書がそれ程までに私を熱中させることはめったにない。
(森有正『砂漠に向かって』より)
昨日『死』を読み始めた。一挙に私は、密度が高く胸の高鳴る文章に熱中し、魅了された。ソルボンヌ大学で彼の講義をしばしば聴講し、私の内的苦悩に照応する稀な哲学者の一人だという印象を得た。この本もそれを証拠立てている。私の心を打つのは、人間的経験のさまざまな秩序だ。この差異が内的に深く「人格」の差異と結びついている。この間題は、日本語文法の人称の問題を取扱う必要のあった時、私の心を占めていたことだ。「実存」の問題がはじめから記述の中心に位置している。「経験」の単独性は、死の事実によって否み難く実証される。それは経験の最も鋭い特徴ではないか。愛と死の近似性に私は強い関心をもっている。それがどうあろうと、それを深める前に先ず、この驚くべき書物を読まねばならぬ。読書がそれ程までに私を熱中させることはめったにない。
(森有正『砂漠に向かって』より)
復刊投票時のコメント (全3件)
2012/11/05
2012/11/05
2014/01/15
2014/01/15
2014/01/12
2014/01/12