「それを見る者の官能においてではなく、それに参加する者の官能によってナチスの政治運動の自己宣伝的拡大を読み解くのが草森流だと言えるだろう。だが本巻において草森は、そうした空虚な政治宣伝がうまく拡大してい...

「研究書でありながら興味がつきないのは、ナチスの卓抜な宣伝戦略とレトリックに立ち会える一方で、ごく身近な人間認識ともかさなり合ってくるからだろう。時代と国をちがえても、誰もが小ゲッベルス、小ヒトラーと遭...

「大衆社会と民主主義が組み合わされる社会の続くかぎり、本シリーズは決して色あせることはない。草森がナチスを肴に叙述していることは、今日も世界のあちこちで繰り返されていることだからである。宣伝が絶対である...

海辺のヴァカンスにおける無為と倦怠を、ひとりの美青年の登場が、不安とおののきに変貌させる。彼は、一体何者なのか？ 謎に満ちた構成による、緊張感溢れる傑作！ ▼著者紹介 ジュリアン・グラック 1...

水平線に沈む夕陽が最後に放つ、翡翠のような光を探して、島から島へ?ヴェルヌ、異色の恋物語。 幻の初期短編『メキシコの悲劇』併録。オリジナル挿画50点収録。

物心ついたときから自分だけを愛してきた冷たく美しい女性・リジャイナ。 彼女と孤独な娘、夫、恋人たちの波乱に満ちたドラマを描ききった、渾身の長篇。 訳者・大谷真理子氏による改訳新版。 書容設計...

フランス人の小説家、ジョルジュ・ペレックによる初期の重要作が登場！ レイモン・クノーに師事し、『人生使用法』『考える／分類する』『煙滅』（水声社刊）などの傑作を生みだした奇才ジョルジュ・ペレックに...

孤独な少女の日常に不安な幻想が浸み込む---。 話題の小説家、アンナ・カヴァンによる、繊細で美しい短篇小説集。 「わたしは星を見ないようにしている。星を見ることに耐えられないのだ。星を見上げては...

サイレントからトーキー、カラーまで、ハリウッドの歴史とともに生きた映画監督ジョン・フォード。「インタビュー嫌い」で知られたジョン・フォードに、若き日のピーター・ボグダノヴィッチが取材し、構成した伝説の名...

アンディ・ウォーホルが現代美術の枠を超え、メディアの寵児となった1960年代を克明に綴った自伝。抽象表現主義から、ポップアートに至るアメリカ現代美術を、ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズらとの関わ...