日本古代の国家と社会を結節する租税現象に注目し、税制の検討を通じて国家の構造を明らかにすると共に、古代国家を支える社会組織のあり方を復原する。

著者は今、日本を代表するゾロアスター教研究者。文献と同時に拝火神殿など写真資料によるイラン現地調査の解説は、関心のある一般読者にも読みやすい。

捏造された「家譜」や無責任な小説や教訓の類いがいかに良寛像を過ったか！ 人間良寛の苦悩を追って、その実像に到達した歴史としての良寛伝。

荘園の農民、京都の住人、そして水辺の領主たち。武士発生の根源をつき、王朝国家の形成をあとづける。

明治国家は宗教をどのように位置づけてきたのか。そして、20世紀に入り宗教がどのように語られてきたのかを言説の次元で分析する。

通説的な武士像と貴族像がいかに創出されたか、史学史的な観点からの検討を加える、意欲的な論集。

映画によって現代史の暗部と格闘し続けた大島渚。この例外的な映画監督の全存在を明らかにする、初の本格評伝。

ホーン岬を回ってチリの大地震を経験したダーウィンは、いよいよガラパゴス諸島へ。のちの進化論に結実する貴重な観察の実際を読む。 ◎『新訳 ビーグル号航海記 上』はコチラ

ヨーロッパの基層を成すケルト人の歴史と文化を、地図と解説によって辿る。 ケルトの人々の分布と文化、移動や種々の争闘を示す142葉の地図と146項目の解説により、ケルトの歴史の全体像を提示。独特の感受性...

ゲーテの誕生から青年期にいたる人格形成期を扱う第1部「存在と生成」の全訳。古典の旺盛な摂取、恋愛体験などが芸術運動に昇華してゆく過程を解明。

自分のことばをつくるとは何か。内田義彦、中野好夫、森有正、荒畑寒村、谷川俊太郎ら多彩な顔ぶれが、ことばにまつわる根深い問題に鋭く切りこむ。

故宮本常一博士の民具学の方法論を下敷にし、琉球地方の生活用具を採集・分類した民具百科。豊富な写真資料と分類表、採訪記からなる民具民俗誌。

日本の古代文化の源流をどこに求めるべきか。朝鮮からの視点で朝鮮と古代日本との関係を実地踏査によって探り、豊富な写真・図版で実証的に示す。