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• 『のらくろカラー文庫１～１５、別巻１、２』

  【著者】田河水泡

  名作だから。舞台は軍隊だけれでも、さほど暴力的でなく、矢張り根本は平和なのだと作者の穏やかな思いを感じさせる。倫理的、人道的な（にもかかわらず現在見失われている）当たり前の話もあるし、のらくろが自分の身の上をひっくり返すぐらいの負けじ魂で頑張る姿は今の若者連（自分も含めて）は見習うべきかと思う。更にのらくろが色々反省したり学習したりして成長してゆく様に、読み手も学んでいけると思う（特に小さい子などは）。
  それに迷路や付録的なものが楽しませてくれるし、読者を楽しませてあげようという著者の気持ちが嬉しいではないか。それに目次や枠などの絵柄等、きっと著者自身も、本作り”全体”を楽しんでいると感じられる所がいい。(2003/02/03)