復刊リクエスト投票

• アイリーンのとうろう

  【著者】柴田克子　永井吐無

  広島の原爆を題材にした作品。舞台はアメリカで、日本人の母を持つハーフのアイリーンが主人公。一体の人形から、アイリーンが母親の過去を謎解いていくミステリーの要素と、アイリーン自身の発病による闘病の様子が描かれていきます。戦争が及ぼす不幸の連鎖を見事に描いた傑作です。児童文学としてはとても悲しい物語ですが、原発事故があったいまだからこそ、ぜひ復刊してもらいたい１冊です。(2015/04/27)

• ブロックルハースト・グローブの謎の屋敷

  【著者】シルヴィア・ウォー

  これはとても深い作品。イギリスの郊外で、布の人形一家が近所から正体を隠しながら、引きこもりの生活を送る。布の人形なので、永遠に歳を取らない。繰り返される日常に変化をつけるために、料理を作る“ふり”をし、家族で食卓を囲む“ふり”をし、何度も繰り返される１７歳の誕生日を初めて祝う“ふり”をする。世間から孤立した家族。そのなかで、次第に煮詰まっていく家族関係。それをイギリス独特のユーモアと児童文学というジャンルによって面白く読ませるが、あまりに恐ろしく哀しい物語。それでも惹きつけてやまない魅力がある。傑作です。絶版なんてもったいない。(2015/04/27)

• オンネリとアンネリのおうち

  【著者】マリヤッタ・クレンニエミ作 渡部翠訳 マイヤ・カルマ画

  女の子の夢がすべて叶うお話。ふたりだけのかわいいお家、インテリア、お洋服、お菓子…。ピンクの挿絵もなんとも可愛らしい！流行りの北欧、ガーリーと今まさに復刊を望む一冊です。児童書ですが、大人の女性もきっと気に入る作品です。図書館で知りましたが、どうしても手元に置きたい愛らしい作品です。(2014/04/20)

• おとなりさん

  【著者】M.B.ゴフスタイン 作 ／ 谷川俊太郎 訳

  見知らぬお隣さん同士が、少しずつ距離を縮めていく様子をシンプルな画とともに繊細に描いた名作。ゴフスタインのなかで、もっとも好きな作品。図書館で借りましたが、どうしても手元に置きたくて。(2014/04/20)