復刊リクエスト投票

• まぼろしのせみの歌

  【著者】前川康男

  30数年前、私が小学生の時に学校の図書館で見つけて何度も読んだ覚えがあります。　「戦争と平和」、「人の愚かさ」、至っては「生と死」まで、かなり重いテーマを扱った作品も含まれているのですが、シンプルな語り口と挿絵の妙もあってか、全体的に夢を見ているような不思議な暖かさがあります。
  
  情景の描写がとにかく素晴らしく、特に「うさぎのアイスクリーム」でのひと気のない夜の町、そして月光に照らされた山でのシーンなどは本当に美しく、今でも心に残っています。
  
  是非もう一度読みたい一冊です。(2009/07/24)