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• クレヨン王国月のたまご (part 8まで）

  【著者】福永令三/三木由記子

  「こんなにだいじなものをどこでおとしたのかしら。記憶がないの。あたし。」
  
  ――どうして、そんな、
  
  涙で顔をぐしゃぐしゃにした小学生の私。
  悲しくて切なくて、それでもページをめくる手はやめなかった私。
  
  今思うと、私の人生を変えた本はこれだったのでしょう。
  
  何度も何度も読み返しました。
  その度に泣いて、それでもやめられなくて。
  
  無意識でしたが、
  まゆみの影響を受けて、詩まで書くようになりました。
  
  これほどまでに人を変えられる作品はそうそうありません。
  
  久しぶりに図書館で借りて再読しましたが、
  色あせてきていた思い出が、一気に鮮明になりました。
  
  ぜひ復刻してください。
  
  
  変わらぬように　いるはずが
  いつのまにやら　消えていた
  本屋の棚から　消えてった
  
  心の奥で　ひっそりと
  息を続ける　彼らたち
  
  
  エメラルドカットのブルースピネルの指輪を、まゆみのように。
  わたしもいつかははめてみたいものです。(2013/05/05)