ハジメさんのページ 復刊リクエスト投票 たぬき学校 【著者】今井誉次郎 三十年も前に読んだ(おそらく数多あった)児童書の中で、このように懐かしく、また鮮やかに思い出されたものはない。まるでセピア色に煙ったの記憶の中で、ふと浮かんだ胸しめつけられる光景(例えばたった一度の父親とのキャッチボールとか)のように、『たぬき学校』の世界は蘇ってきたのだった。ぼろぼろになるまで読んだ。確か最後のページ、先生を前に正座して並ぶたぬきたちの横顔が、あの屈託ない瞳が、私の脳裏に刻まれている。このざわついた世の中で、肅然とせねばならない時があるはずだ・・その自分なりの原風景を思い出そうとして、あの『たぬき学校』の最後の風景をよぎらせた事が何度あったか知れない。それも「書物」の中の一頁としてでなく、出所の知れない切り取られたシーンとして、他の、例えばよく見た夢や映画や現実の風景と並んで。。見事なまでに過不足なく、「児童」世界を抽出してみせた良書だと私は思っている。(2005/08/02)
復刊リクエスト投票
たぬき学校
【著者】今井誉次郎
ように懐かしく、また鮮やかに思い出されたものはない。まるで
セピア色に煙ったの記憶の中で、ふと浮かんだ胸しめつけられる
光景(例えばたった一度の父親とのキャッチボールとか)のよう
に、『たぬき学校』の世界は蘇ってきたのだった。ぼろぼろにな
るまで読んだ。確か最後のページ、先生を前に正座して並ぶたぬ
きたちの横顔が、あの屈託ない瞳が、私の脳裏に刻まれている。
このざわついた世の中で、肅然とせねばならない時があるはず
だ・・その自分なりの原風景を思い出そうとして、あの『たぬき
学校』の最後の風景をよぎらせた事が何度あったか知れない。そ
れも「書物」の中の一頁としてでなく、出所の知れない切り取ら
れたシーンとして、他の、例えばよく見た夢や映画や現実の風景
と並んで。。見事なまでに過不足なく、「児童」世界を抽出して
みせた良書だと私は思っている。(2005/08/02)