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レビュー
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自由への長い道 ~ネルソン・マンデラ自伝~ 上・下
政治家の回顧録でありかつアフリカ文学でもあります
政治家の回顧録として歴史的に重要であるばかりではなく、アフリカの文学として語り口自体の面白さをも評価されるべき作品だと思います。
マンデラの政治的信念とそのせいで経験した苦難が生き生きと描かれていてそれだけで物語として退屈しませんし、不屈の精神には全く頭が下がります。高潔な政治家、というのはこのような人のことを言うのだろうと思わずにはいられません。
しかしながらこの自伝は高潔な理念ばかりの教育的な本でも、つらい闘争の日々を描いた陰鬱な本でもありません。どう見ても女性にモテモテなのにご本人は全く気付いていないらしいマンデラの天然な行動や、監獄でもユーモアを失わない暮らしぶりなど、人間味を感じさせる記述もそこかしこにあって明るいトーンを保っています。きれい事でもなく説教臭くもなく、政治や歴史というものを身近に考えたい、という方に是非手にとってほしい作品です。(2012/07/18)
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