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• ねむれなくなる本

  【著者】岩本敏男

  以前アンソロジーで、この本の中の一編「家族」を読んで強い印象を受けました。なんともない夕食後の家族の会話を描いた短編ですが、絶望感や倦怠感がにじみ出ていてぞっとしたのを覚えています。
  その後図書館で借りて読みましたが、その他の話も全て衝撃的なものでした。子供用と意識して書いていない、と作者は語っていますが、確かに肉親の死、離婚、世界の滅亡など重苦しいテーマを扱った作品が続きます。
  しかしそういったテーマが身近な問題になってしまった現代だからこそ、子供にも読んでほしいと思いました。ぜひ復刊してほしいと思います。(2014/06/01)