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• Alice's Adventures in Wonderland

  【著者】Lewis Carroll

  物語冒頭でアリス自身が「絵も会話もない本なんて一体どこがおもしろいのかしら」と述べている様にこのお話において挿絵とはタダの添え物ではなく文と拮抗し互いに高め合う様な存在であり必要不可欠なものなのだと思います。しかしアリスの挿絵というとあの素晴らしいテニエルの絵があまりに強烈である種呪縛の様にアリスの世界を高い壁で蔽っているように思えます。過去数多の絵描き達が腕を振るってその壁に挑み続けてきましたがその呪縛から逃れられた作家は未だいないのではないかと思います。しかし！しかしです、ヤンソンの手によるアリスの存在を知った今、そう言い切るのは愚かな事でしょう。一体その本を一刻も早く世に出さない理由がどこにあるというのでしょうか？私にとって二人の世界とは、暗闇　といった時　そこにはちゃんとうごめく何かがいる、といったモノです。そんな両者の世界の文と絵との融合・・考えただけでもぞくぞくします！出版社の方、心からお願い致します！！そんな貴重で素晴らしい世界を葬り去ってしまうなんて世界にとって本当に大いなる損失です！アリスが新しい切り口で浮かび上がる現存する唯一無二のチャンスを今再び与えて下さい！(2003/06/13)