ごんたさんのページ
レビュー
-
島津重豪
薩摩藩の開明君主
九州の最南端に位置し、中世以来の封建制を濃厚に残していた薩摩藩において、島津重豪は、学術の振興を進め、自身も蘭学を学び、長崎でオランダ人と会見するなど開明的な君主であった。重豪の施策は、薩摩藩がのちに西欧の近代的工業技術により殖産興業政策を施行することにより、経済力及び軍事力を培養する端緒となったといえる。九州最南端の薩摩藩が明治維新と近代国家形成に大きな役割を果たした深層に、島津重豪という開明君主の存在があったことを理解させる一冊である。(2019/07/07)
復刊リクエスト投票
ローマ法
【著者】船田享二