Kyou_N.さんのページ 復刊リクエスト投票 ガラス玉遊戯 【著者】ヘルマン・ヘッセ ガラス玉遊戯はヘルマン・ヘッセのノーベル賞作品であり、最後の小説です。これを翻訳された井手賁夫先生は、ドイツ十字勲章を受けられていたと聞いております。作品は、最後の章のみ伝説のかたちをとっている以外は、伝記のかたちをとって進められている、ヘッセの創作です。落ち着いた雰囲気のなか物語は進みますが、デミアンのように挑戦的な、荒野のおおかみのように幻想的な、シッダールタのように精神的な、そして、車輪の下に見られるヘッセの経験はすでに昇華されているような、つまりヘッセの完成と言える作品ではないでしょうか。この本が絶版になったのは「人々が現代を疑いたくないからだ」と思わせるほど、「予告の書」ではないかと思わせるほど、現代について、そして未来について、想像させます。これからの時代の世界で、日本がこの書を自国語で手にとれる、精神において自ら豊かな国の一つであることを願っております。(2001/10/18)
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ガラス玉遊戯
【著者】ヘルマン・ヘッセ