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レビュー

ショッピング 児童書・絵本
山本忠敬 作・絵
山手線一周の旅に出発!

同時期に特別復刊された『とっきゅうでんしゃ あつまれ』が図鑑的に列車の姿を網羅しているのとは対照的に、実際に山手線(103系)が、品川から品川までの1周を走る様子が描かれており、まるで絵本といっしょに旅をしている感覚が味わえるので、電車好きの息子のために購入したものの、読みながらぼくがとてもわくわくした。

巻末の編集部による「『でんしゃがはしる』特別復刊にあたって」には、刊行当時から「この絵本がノンフィクション仕立てであることから、電車に関する絵やキャプションなどの誤りについても多くのご指摘をいただくことになってしまい、編集部としては、言わばお蔵入りという形でこの作品の再刊を保留して」きたこと、「復刊の方針として、電車の形式などの文字の間違いは訂正する、しかし絵についてはご自身による訂正が叶わない以上1978年刊行のままにする、という考え方を採ることに」したということなどが述べられているけれど、そういった「細かいこと」が全然気にならないぼくにとっては、「(そんなこといいから)なぜもっとはやく復刊してくれなかったのだろう!」と思わせられる良作。

山本忠敬作品は、他の乗り物を扱った作品よりも、やっぱり電車絵本がすばらしいと思う。
電車絵本も少しその傾向はあるけれど、他の乗り物は、素人のぼくが見ても、デッサンが狂ってるのが著しく顕著で、彼の画が写実的であるからこそ、それが目立ってしまう。
ほんとは、山本さん、電車以外は、あんまり描きたくなかったんじゃないだろうか。

2016/02/05