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文芸書
山川彌千枝
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美しいばらさわって見る、つやつやとつめたかった。ばらは生きてる (本文より)

いちばん最初に出会った短歌で、いちばん好きな歌。

なんで、なんでこんなに、彼女の言葉は胸を打つんだろう。不器用で、可愛らしくて、聡明で、そしてまっすぐに綴られた言葉たち。

薔薇に触れて冷たさを感じることが出来るのは、彼女の手が暖かいから。"わたし"が生きているから。

はじめて短歌というものに触れたきっかけが、タイトルにもなったこの歌でした。当時小学生の自分にとって、短歌というものはまったく馴染みのないものでしたが、この一首と穂村弘さんの解説がきっかけで、短歌をはじめました。それから短歌から十年近く離れていましたが、今こうして短歌をまた詠んでいます。

短歌も勿論ですが、散文も日記も手紙も、きらきらと感性が至るところでひかっています。このひかりが、時代とともに忘れ去られて消えてしまうのはあまりにも勿体ないです。

穂村弘さん、川上未映子さん、千野帽子さんによる解説もとても素敵です。この時代にもう一度彼女の言葉を、書店の隅っこからでもいいので届けたいです。

2020/03/25