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中国の南北朝時代、「侯景の乱」をきっかけに始まった南朝貴族の衰亡を、梁の宗室蕭氏を中心に描いた名著。
本書の着目すべき点は、敗者である南朝貴族の文化を積極的に評価している点である。著者によれば、南朝貴族の最後の牙城であった後梁が、北朝系から出た隋朝に滅された事によって、歴史的な敗者となったが、彼等が育んだ文化は、北朝の文化に多大な影響を与えたという。これは実に示唆的で、隋の煬帝や唐の太宗が、南朝文化に心酔していた事を想起すれば、成る程、合点がゆくのである。
上記のような、優れた示唆を含みながら、文章は平易で、ふんだんに、エピソードを盛り込んでおり、小説のように読み易い。これから、南北朝を勉強したい学生や、歴史好きの読書人に、是非一読を奨めたい。
しかしながら、本書は絶版して久しく、私も、つい最近、古本屋で購入したが、手に入れるまで随分苦労した。是非とも復刊して、多くの読者の手元にわたる事を望みたい。

2001/08/05

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愛宕元(おたぎ はじめ)
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