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復刊リクエスト投票
今回、復刊に値すると思い薦める本は、フランスという異邦の地で、「切られた首の謎」などの数々の難事件を「本質直観」を用いていとも簡単に解きほぐす、まったく新しい形の「現象学的」探偵ヤブキ・カケルと、謎に包まれた彼に異性としての興味を持つ話者ナディア・モガールのシリーズ作品のうち、「天使」、「黙示」、そして「薔薇」この三つのモティーフに彩られた、初期の三部作を一冊に集めた、豪華な愛蔵版「天使・黙示・薔薇―笠井潔探偵小説集」である。美本で有名なこの本だが、愛好家のための少数の愛蔵版ということもあり、いまでは古本屋でも見つけにくい、幻の銘本になっている。
島田荘司の「御手洗シリーズ」といっしょに、80年代後半に訪れる日本ミステリー小説の第三の波に先立つ「2.5世代」の革新的作品として、社会主義から「転向」した作者により、70年代のラディカリズムのアンティテーゼとして書かれた「テロルの現象学」と同時期に、同じ問題意識のもとに書かれた「転向小説」としても注目されるべきであるこの三冊の合本の復刊は、たんなる「復刊」ではなく、先取的なこの三作品の「再評価」の意味もこめられるだろう。
2002/07/14
今回、復刊に値すると思い薦める本は、フランスという異邦の地で、「切られた首の謎」などの数々の難事件を「本質直観」を用いていとも簡単に解きほぐす、まったく新しい形の「現象学的」探偵ヤブキ・カケルと、謎に包まれた彼に異性としての興味を持つ話者ナディア・モガールのシリーズ作品のうち、「天使」、「黙示」、そして「薔薇」この三つのモティーフに彩られた、初期の三部作を一冊に集めた、豪華な愛蔵版「天使・黙示・薔薇―笠井潔探偵小説集」である。美本で有名なこの本だが、愛好家のための少数の愛蔵版ということもあり、いまでは古本屋でも見つけにくい、幻の銘本になっている。
島田荘司の「御手洗シリーズ」といっしょに、80年代後半に訪れる日本ミステリー小説の第三の波に先立つ「2.5世代」の革新的作品として、社会主義から「転向」した作者により、70年代のラディカリズムのアンティテーゼとして書かれた「テロルの現象学」と同時期に、同じ問題意識のもとに書かれた「転向小説」としても注目されるべきであるこの三冊の合本の復刊は、たんなる「復刊」ではなく、先取的なこの三作品の「再評価」の意味もこめられるだろう。
2002/07/14