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中空構造日本の深層
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欧米人の深層心理構造が異なる原理の対立と統合であるのに対して、日本人の深層心理構造は中空である、カラッポであると喝破した名著だと思います。
日本の神話においては、何かの原理が中心を占めることがなく、中空の周りを巡回している。中心としての「空」の周りをまわっているのであり、永久に中心点に到達することなく、類似の事象を少しづつ変化させながら繰り返す、という日本神話の中空性について、そのような発想に至った経緯と共にわかりやすく説明されています。ロラン・バルトの皇居をめぐる論考を思い出したり、天皇制に思いを馳せたりしました。
また、物事を切断し分離してゆく機能としての「父性」と、すべてのものを全体として包み込む機能としての「母性」のバランスの重要性や、現代でも(現代こそ?)神話の力を再認識すべきであり、神話を言語化することの必要性について述べられています。その他にも、人間の心理機能を「思考」と「感情」、「感覚」と「直観」の4つに分類するユング心理学の基本的な部分についての説明も収められており、良い復習にもなり、大変勉強になる本でした。
2018/03/21
欧米人の深層心理構造が異なる原理の対立と統合であるのに対して、日本人の深層心理構造は中空である、カラッポであると喝破した名著だと思います。
日本の神話においては、何かの原理が中心を占めることがなく、中空の周りを巡回している。中心としての「空」の周りをまわっているのであり、永久に中心点に到達することなく、類似の事象を少しづつ変化させながら繰り返す、という日本神話の中空性について、そのような発想に至った経緯と共にわかりやすく説明されています。ロラン・バルトの皇居をめぐる論考を思い出したり、天皇制に思いを馳せたりしました。
また、物事を切断し分離してゆく機能としての「父性」と、すべてのものを全体として包み込む機能としての「母性」のバランスの重要性や、現代でも(現代こそ?)神話の力を再認識すべきであり、神話を言語化することの必要性について述べられています。その他にも、人間の心理機能を「思考」と「感情」、「感覚」と「直観」の4つに分類するユング心理学の基本的な部分についての説明も収められており、良い復習にもなり、大変勉強になる本でした。
2018/03/21