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【小田実全集】 アメリカ 小説3

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主人公が苦手

   野間宏、埴谷雄高など、一流の作家にも評価された長編小説。小田実が小説家としても並々ならぬ力量を持っていることが伺えます。
   だけど自分は苦手です。主人公の商社員はアメリカの黒人差別の実態に触れて、自分の故郷で虐げられていた朝鮮人に思いを馳せるのですが、心の奥のどこかで朝鮮人や黒人を差別しているとしか思えません。
   また「黒人の娼婦を抱いた後、体を洗わず君と寝た」と白人の彼女に言って傷つけたりします。その他にもアンモラルなセックス描写があって女性蔑視的な感じがしました。
   出世街道を捨てる覚悟で差別反対運動に身を投ずるけど、自分の醜さ身勝手さ弱さを全然克服しておらず、根本的に何も変わってない気がします。

2013/04/05