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奴隷たちの秘密の薬 18世紀大西洋世界の医療と無知学

ロンダ・シービンガー 著 / 小川眞里子 鶴田想人 並河葉子 訳

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著者 ロンダ・シービンガー 著 / 小川眞里子 鶴田想人 並河葉子 訳
出版社 工作舎
判型 A5
頁数 368 頁
ジャンル 専門書
ISBNコード 9784875025689

商品内容

医学が「科学」になろうとしていた18世紀。カリブ海植民地は熱帯医学のフィールドワークの場となった。植物を使いこなし、独自の治療法を編み出した奴隷や先住民。彼らの医療知識を評価する一方で、その秘密を開示させようとするヨーロッパ人医師。知をめぐる交流と葛藤、搾取と抵抗の相互関係を科学史家ロンダ・シービンガーが分析する。

▼目次
序章
--大西洋世界における医学実験
--人間の被験者
--実験の分類学
--植民地という坩堝
--知の循環
--情報源の問題
第1章 科学的医学の台頭
--西インド諸島における実験
--肌の色の科学、あるいは人種の細かな生理学的差異
--移植された人間 -場所vs人種
第2章 「黒人医師」の薬物学実験
--鉄の木と知の循環
--アフリカ仮説
--ヨーロッパ仮説
--アメリカ大陸仮説
--大西洋広域圏仮説
第3章 医療倫理
--ヨーロッパにおける倫理 -「助けること、少なくとも害をなさぬこと」
--西インド諸島における倫理 -奴隷の問題
--誰を最初にするのか -冷水を用いた実験
--奴隷 -保護されたカテゴリー
第4章 搾取的な実験
--クワイヤーの天然痘実験
--トムソンのイチゴ腫実験
--兵士と水兵
--ヨーロッパの子供と貧者
--身体は互換可能なのか -医学の文脈から
第5章 植民地という坩堝 -奴隷制をめぐる議論
--オービアと妖術
--偽薬を使った実験
--奴隷医療者の非合法化
--有色自由人の専門職からの排除
--身体は互換可能なのか -植民地の文脈から
--よりよい生活環境の提唱
--出産をめぐる実験
終章 知の循環
--ヨーロッパ人の植民地のつながり
--アフリカ人の奴隷貿易のつながり
--アメリカ先住民の征服のつながり
--無知学と大西洋世界の医療複合体
付図 本書に登場する西インド諸島のイギリス人・フランス人医師
原注
参考文献
索引
訳者解題

--新大陸の奴隷制について 並河葉子
--「秘密」の植物が照らす歴史の闇 鶴田想人
--訳者あとがき 小川眞里子

▼著者プロフィール
ロンダ・シービンガー
スタンフォード大学歴史学科ジョン・L・ハインズ科学史教授。「科学と技術におけるジェンダー」研究の国際的な先駆者であり、国連、欧州議会、多くの研究助成機関で講演活動を展開。アレキサンダー・フンボルト財団からフンボルト賞を受賞(1999~2000:歴史部門で全米初の女性)、米国のグッゲンハイム・フェローシップなど栄誉ある賞を多数受賞。ロバート・プロクター氏との共著でAgnotology(Stanford University Press, 2008)がある。
初の単著『科学史から消された女性たち』に次ぐ2作目『女性を弄ぶ博物学』で国際科学社会学会・第2回フレック賞受賞。3作目『ジェンダーは科学を変える!?』では理工系分野の女性研究者をいかに育成するかを論じ、4作目『植物と帝国』では文化的・社会的文脈で抹殺されてきた知識の研究(アグノトロジー)の重要性を説き、3つの国際的な賞を受賞。
近年では性差に配慮した革新「ジェンダード・イノベーション」を提唱し、欧州委員会や米国衛生研究所と協力してプロジェクトを展開している。

小川眞里子(おがわ まりこ)
三重大学名誉教授(科学史・科学論)。(公財)東海ジェンダー研究所理事。博士[学術](東京大学 2012年)。著書『フェミニズムと科学/技術』(岩波書店 2001年)、『甦るダーウィン』(岩波書店 2003年)、『病原菌と国家』(名古屋大学出版会 2016年)。共編著『女性研究者支援の国際比較』(明石書店 2021年)、『ジェンダード・イノベーションの可能性』(明石書店 2024年)。共著『環境危機と現代文明』(朝倉書店1996年、新装版2008年)、『科学技術と社会』(東京大学出版会 2020年)、『科学と倫理』(中央公論新社 2021年)など。共訳書にシービンガーの主要著作四冊はじめ、ボウラー『環境科学の歴史』I・II(朝倉書店 2002年)など。『病原菌と国家』で日本科学史学会学術賞。令和四年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰など。

鶴田想人(つるた そうと)
大阪大学社会技術共創研究センター特任研究員。東京大学大学院総合文化研究科(科学史・科学哲学研究室)博士課程単位取得退学。修士(学術)。専門は科学史・科学論。日本学術振興会特別研究員(DC1)を経て現職。論考「無知学(アグノトロジー)の現在」(『現代思想』 2023年6月号)、「植物の名を正す」(『ユリイカ』 2023年4月号)など。共編著『ジェンダード・イノベーションの可能性』(明石書店 2024年)、『無知学への招待』(明石書店 近刊)、翻訳にプロクター「無知学」(『思想』 2023年9月号)など。

並河葉子(なみかわ ようこ)
神戸市外国語大学外国語学部教授。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退、修士(文学)。専攻:イギリス帝国史、ジェンダー史。主要論文に共著「奴隷貿易・奴隷制廃止と「自由」」(『国民国家と帝国』岩波講座世界史16巻岩波書店 2023年)、「反奴隷制運動の情報ネットワークとメディア戦略」(『情報の世界史』第六巻ミネルヴァ書房 2018年)。共訳書にレヴァイン『イギリス帝国史 移民・ジェンダー・植民地へのまなざしから』(昭和堂 2021年)、共同監訳にシェリダン、シールズ編『イギリス宗教史』(法政大学出版会 2014年)。

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