陰陽道の神々 決定版
斎藤英喜
1,650円(税込)
(本体価格 1,500 円 + 消費税10%)
配送時期:2024/10/中旬
著者 | 斎藤英喜 |
---|---|
出版社 | 法藏館 |
判型 | 文庫 |
頁数 | 432 頁 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784831826787 |
商品内容
泰山府君、牛頭天王、金神、八王子、大将軍、盤古大王、土公神…。冥界や疫病、あるいは暦や方位などに関わる神々は、陰陽道の信仰にもとづいて祀られてきた。日本人の日常生活の中でなじみのある、これらの神々を祀っていたのは「陰陽師」であった。明治以降の近代社会のなかで封印され忘れられてきた陰陽道の神々。神話の神々とは違う、もう一つの「日本」の神々とは。
はじめに -もうひとつの「日本」の神々を求めて-
序章 陰陽道と安倍晴明の基礎知識
--「陰陽道」の定義
--国家のトップシークレットと「陰陽寮」
--安倍晴明は「陰陽師」なのか
--「道の傑出者」としての晴明
--歴史のなかの陰陽師
--本書で出会う「陰陽道」の神々とは
--表 安倍晴明年譜
第一章 追われる鬼、使役される神 -疫鬼と式神-
--1 鬼を追う陰陽師
--「福は内、鬼は外……」の謎
--追儺儀礼の現場から
--陰陽師が誦む「祭文」とは
--鬼にたいする二段階の対処
--なぜ陰陽師が登場するのか
--方相氏の両義性
--2 「式神」という神
--式神とは何か
--『枕草子』のなかの護法
--護法童子は術者の力のバロメーター
--式神は「陰陽道」の知識とどう関わるのか
--式盤に召喚する神々
--式神が教えてくれた文様
--〈コラム1〉なぜ鬼退治をする「リンゴ太郎」はいないのか
--〈コラム2〉人を食らう鬼
--〈コラム3〉「神働術」とグノーシス
第二章 冥府と現世を支配する神
--1 冥府神としての泰山府君
--泰山府君とコンタクトする晴明
--史料のうえの泰山府君祭
--焔魔天と泰山府君との関係は
--藤原行成のための泰山府君祭
--「個人」救済の時代のなかで
--泰山府君と冥道諸神
--北斗七星と結びつく
--2 変貌していく泰山府君
--泰山府君祭の多様化
--鎌倉幕府の陰陽師と泰山府君
--天曹地府とは何か
--陰陽道の「繁栄」の時代?
第三章 牛頭天王、来臨す
--1 牛頭天王を求めて
--祇園祭の祭神の本当の名前は
--「祇園社」と「牛頭天王」をめぐる歴史
--「播磨国」に顕現した牛頭天王
--2 中世神話としての「祇園牛頭天王縁起」
--「祇園牛頭天王縁起」の物語、紹介
--「吾は速須佐雄の神そ」
--誰が牛頭天王=スサノヲ説を作ったのか
--「中世神話」の世界から
--牛頭天王、第三の名前
--3 牛頭天王、陰陽道の神へ
--牛頭天王と天刑星
--「太山府君王法」を破る
--「五節の祭礼」と「二六の秘文」
--切断された巨旦、その呪詛と調伏
--暦神としての牛頭天王へ
--〈コラム1〉本居宣長、祇園祭を観る
--〈コラム2〉いまも京都に棲息する牛頭天王
--〈コラム3〉平田篤胤の牛頭天王研究
第四章 暦と方位の神話世界 -『ホキ内伝』の神々-
--1 『ホキ内伝』という謎
--土御門家が否定した書物
--作成者は祇園社の社僧か
--『ホキ内伝』の構成、その成立過程
--暦注書としての意味
--暦注の神々の世界
--「右此の金神は、巨旦大王の精魂なり」
--2 暦世界の根源神へ
--宇宙創成の光景から
--五帝龍王たちは何を生み出したか
--暦世界の根源神=盤牛王
--もうひとつの黄帝黄龍王譚
--「土公神祭文」への変成
--五帝龍王と八岐大蛇神話異聞
--白牛にまたがる牛頭天王
--中世神学の暦神たち
--ふたたび、『ホキ内伝』の作り手を求めて
--奈良の地の陰陽師たち
--〈コラム1〉『ホキ抄』と安倍晴明伝承
--〈コラム2〉「神道」と「陰陽道」との結合とは
--〈コラム3〉金神=スサノヲ説をめぐって
--〈コラム4〉世界の崩壊から始まる -いざなぎ流の「大土公祭文」
第五章 いざなぎ流の神々 -呪詛神と式王子をめぐって-
--1 いざなぎ流の神々と陰陽道
--家に祭られる神たち
--天井裏の聖域へ
--グループ神としてのオンザキ
--明治初年の呪詛合戦から
--2 「呪詛神」の系譜から
--「呪詛の祭文」の世界
--「取り分け」はどのように行なわれるか
--「すそのはらへ」の系譜から
--「中臣祓」という呪詞
--陰陽師が読み替える祓えの神々
--土御門系の「呪詛之返祭文」の儀礼世界
--山伏・法者・禰宜たちと「呪詛の祭文」
--数々の呪詛系祭文
--呪詛のテクニックを相手どる
--呪詛神の起源=提婆王
--「すそ林」に立つ式王子の幣
--3 式王子の世界
--式王子のふたつの系統
--式王子となる神霊たちとは
--「大荒神のけみだし式」でシフトする荒神
--法文=式王子をいかに使うのか
--いざなぎ流太夫は「陰陽師」ではなかった
終章 「陰陽道」の神々のその後
--標的とされた牛頭天王
--陰陽道の神々は何を語っているのか
断章1 いざなぎ流への〈旅〉
--その1 神さまたちの引越し
--その2 中尾計佐清さんのこと
--その3 花をいさみて、寄りござれ
--その4 物部村の人々
断章2 安倍晴明ブームの深層へ
--陰陽師・ミレニアム
--安倍晴明の深層、いざなぎ流の現場
--星を観る人・安倍晴明
--ブームの深層にあるもの
--「陰陽道」研究の進展
--いざなぎ流の現場から
--二一世紀の安倍晴明 -ブームの深層に何があるのか-
--バビロニアの安倍晴明
補論 牛頭天王の変貌と「いざなぎ流」
--いざなぎ流祭文と土御門系祭文の違い
--『ホキ内伝』の牛頭天王神話
--「産の穢れ」と『ホキ抄』との接点
--送却儀礼と牛頭天王信仰
--「式王子」と牛頭天王信仰
付論 折口信夫の「陰陽道」研究・再考
参考文献・原典一覧/初出一覧
あとがき
--ニューヨークの陰陽師 -増補版あとがきにかえて-
--二〇二四年の陰陽道 -文庫版あとがきにかえて-
--収録図版一覧
▼著者プロフィール
斎藤英喜(さいとう ひでき)
1955年東京生まれ。日本大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、佛教大学歴史学部教授。専門は神話・伝承学。おもな著書に『増補 いざなぎ流祭文と儀礼』(法蔵館文庫)、『陰陽師たちの日本史』(角川新書)、『安倍晴明』(ミネルヴァ書房)他多数。
はじめに -もうひとつの「日本」の神々を求めて-
序章 陰陽道と安倍晴明の基礎知識
--「陰陽道」の定義
--国家のトップシークレットと「陰陽寮」
--安倍晴明は「陰陽師」なのか
--「道の傑出者」としての晴明
--歴史のなかの陰陽師
--本書で出会う「陰陽道」の神々とは
--表 安倍晴明年譜
第一章 追われる鬼、使役される神 -疫鬼と式神-
--1 鬼を追う陰陽師
--「福は内、鬼は外……」の謎
--追儺儀礼の現場から
--陰陽師が誦む「祭文」とは
--鬼にたいする二段階の対処
--なぜ陰陽師が登場するのか
--方相氏の両義性
--2 「式神」という神
--式神とは何か
--『枕草子』のなかの護法
--護法童子は術者の力のバロメーター
--式神は「陰陽道」の知識とどう関わるのか
--式盤に召喚する神々
--式神が教えてくれた文様
--〈コラム1〉なぜ鬼退治をする「リンゴ太郎」はいないのか
--〈コラム2〉人を食らう鬼
--〈コラム3〉「神働術」とグノーシス
第二章 冥府と現世を支配する神
--1 冥府神としての泰山府君
--泰山府君とコンタクトする晴明
--史料のうえの泰山府君祭
--焔魔天と泰山府君との関係は
--藤原行成のための泰山府君祭
--「個人」救済の時代のなかで
--泰山府君と冥道諸神
--北斗七星と結びつく
--2 変貌していく泰山府君
--泰山府君祭の多様化
--鎌倉幕府の陰陽師と泰山府君
--天曹地府とは何か
--陰陽道の「繁栄」の時代?
第三章 牛頭天王、来臨す
--1 牛頭天王を求めて
--祇園祭の祭神の本当の名前は
--「祇園社」と「牛頭天王」をめぐる歴史
--「播磨国」に顕現した牛頭天王
--2 中世神話としての「祇園牛頭天王縁起」
--「祇園牛頭天王縁起」の物語、紹介
--「吾は速須佐雄の神そ」
--誰が牛頭天王=スサノヲ説を作ったのか
--「中世神話」の世界から
--牛頭天王、第三の名前
--3 牛頭天王、陰陽道の神へ
--牛頭天王と天刑星
--「太山府君王法」を破る
--「五節の祭礼」と「二六の秘文」
--切断された巨旦、その呪詛と調伏
--暦神としての牛頭天王へ
--〈コラム1〉本居宣長、祇園祭を観る
--〈コラム2〉いまも京都に棲息する牛頭天王
--〈コラム3〉平田篤胤の牛頭天王研究
第四章 暦と方位の神話世界 -『ホキ内伝』の神々-
--1 『ホキ内伝』という謎
--土御門家が否定した書物
--作成者は祇園社の社僧か
--『ホキ内伝』の構成、その成立過程
--暦注書としての意味
--暦注の神々の世界
--「右此の金神は、巨旦大王の精魂なり」
--2 暦世界の根源神へ
--宇宙創成の光景から
--五帝龍王たちは何を生み出したか
--暦世界の根源神=盤牛王
--もうひとつの黄帝黄龍王譚
--「土公神祭文」への変成
--五帝龍王と八岐大蛇神話異聞
--白牛にまたがる牛頭天王
--中世神学の暦神たち
--ふたたび、『ホキ内伝』の作り手を求めて
--奈良の地の陰陽師たち
--〈コラム1〉『ホキ抄』と安倍晴明伝承
--〈コラム2〉「神道」と「陰陽道」との結合とは
--〈コラム3〉金神=スサノヲ説をめぐって
--〈コラム4〉世界の崩壊から始まる -いざなぎ流の「大土公祭文」
第五章 いざなぎ流の神々 -呪詛神と式王子をめぐって-
--1 いざなぎ流の神々と陰陽道
--家に祭られる神たち
--天井裏の聖域へ
--グループ神としてのオンザキ
--明治初年の呪詛合戦から
--2 「呪詛神」の系譜から
--「呪詛の祭文」の世界
--「取り分け」はどのように行なわれるか
--「すそのはらへ」の系譜から
--「中臣祓」という呪詞
--陰陽師が読み替える祓えの神々
--土御門系の「呪詛之返祭文」の儀礼世界
--山伏・法者・禰宜たちと「呪詛の祭文」
--数々の呪詛系祭文
--呪詛のテクニックを相手どる
--呪詛神の起源=提婆王
--「すそ林」に立つ式王子の幣
--3 式王子の世界
--式王子のふたつの系統
--式王子となる神霊たちとは
--「大荒神のけみだし式」でシフトする荒神
--法文=式王子をいかに使うのか
--いざなぎ流太夫は「陰陽師」ではなかった
終章 「陰陽道」の神々のその後
--標的とされた牛頭天王
--陰陽道の神々は何を語っているのか
断章1 いざなぎ流への〈旅〉
--その1 神さまたちの引越し
--その2 中尾計佐清さんのこと
--その3 花をいさみて、寄りござれ
--その4 物部村の人々
断章2 安倍晴明ブームの深層へ
--陰陽師・ミレニアム
--安倍晴明の深層、いざなぎ流の現場
--星を観る人・安倍晴明
--ブームの深層にあるもの
--「陰陽道」研究の進展
--いざなぎ流の現場から
--二一世紀の安倍晴明 -ブームの深層に何があるのか-
--バビロニアの安倍晴明
補論 牛頭天王の変貌と「いざなぎ流」
--いざなぎ流祭文と土御門系祭文の違い
--『ホキ内伝』の牛頭天王神話
--「産の穢れ」と『ホキ抄』との接点
--送却儀礼と牛頭天王信仰
--「式王子」と牛頭天王信仰
付論 折口信夫の「陰陽道」研究・再考
参考文献・原典一覧/初出一覧
あとがき
--ニューヨークの陰陽師 -増補版あとがきにかえて-
--二〇二四年の陰陽道 -文庫版あとがきにかえて-
--収録図版一覧
▼著者プロフィール
斎藤英喜(さいとう ひでき)
1955年東京生まれ。日本大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、佛教大学歴史学部教授。専門は神話・伝承学。おもな著書に『増補 いざなぎ流祭文と儀礼』(法蔵館文庫)、『陰陽師たちの日本史』(角川新書)、『安倍晴明』(ミネルヴァ書房)他多数。
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