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絶版文庫万華鏡

近藤健児

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著者 近藤健児
出版社 青弓社
判型 四六判
頁数 320 頁
ジャンル エンタメ
ISBNコード 9784787292636

商品内容

ぜっぱん【絶版】…何らかの事情で、その本の以後の印刷・販売を中止すること。
ぶんこ【文庫】…小型のシリーズによる、名著(普及の望まれる本)の廉価版(の名)。「--本」
(『新明解国語辞典』第6版、三省堂)

本書は、戦前期(1910~45年)から戦後期(1945~90年)、そして平成以降(1990~2020年)の3つの時代区分に沿って、さまざまな事情で絶版になった文庫本の作品を紹介・解説する。岩波文庫、新潮文庫、角川文庫など現在まで続く老舗文庫をはじめ、春陽堂文庫や金星堂名作叢書、アカギ叢書などのいまはもう失われた文庫まで、ありとあらゆる絶版文庫を、著者が掘り出した希少なコレクションのなかから91点厳選し、作品の見どころから作者のプロフィール、当時の出版事情などのトリビアをふんだんに交えながら1点ずつ解説する。

菊池寛や尾崎紅葉ら文豪たちの作品の貴重な文庫判、トルストイやリンドグレーンらの海外の名作、かつてサンリオが出版していた少女向け作品を集めたサンリオ・ギフト文庫や、先駆的なSFやマニアックな現代文学を集めたサンリオSF文庫、大手版元のものとほとんど変わらない品質の希少な文庫判同人誌、九州で活動する新しい出版社・伽鹿舎の文庫など、「文庫」と名の付くものは徹底的に網羅している。さらには文庫本それ自体にとどまらず、矢口進也『文庫そのすべて』(図書新聞)をはじめとする「文庫ガイド本」の詳細なリストまで所収する。

古書好き、文学好きは必読のガイドであり、文庫を縦軸にして戦前から現在までの出版史の一側面を照らし出す書でもある。貴重な書影も多数所収。

▼目次
はじめに

第1章 戦前の絶版文庫 -一九一〇~四五年
--ストリンドベルヒ『絆』島田青峰訳(「アカギ叢書」第三十六編)、赤城正蔵、一九一四年
--ザイツェフ『心の扉』昇曙夢訳(「海外文芸叢書」第二編)、海外文芸社、一九一三年
--エルマー・ライス『街の風景』杉木喬訳(改造文庫)、改造社、一九三九年
--菊池寛『東京行進曲』(改造文庫)、改造社、一九三〇年
--シエンキエヴイツチ『十字軍の騎士』森田草平訳(「世界大衆文学全集」第五十一巻)、改造社、一九三〇年
--田山花袋『曠野の恋』(金星堂名作叢書)、金星堂、一九二二年
--マイエル『愛国者』上・下、岡村弘訳(世界文庫)、弘文堂、一九四〇年
--『エマスン詩集』中村詳一訳(「泰西詩人叢書」第二編)、聚英閣、一九二三年
--有島武郎『三部曲』(「有島武郎小全集」第九巻)、春陽堂、一九三三年
--吉井勇『戯曲 夜』(「現代文芸叢書」第十七編)、春陽堂、一九一二年
--エッヂオース『少技師ジヤーバス』前田晃訳(春陽堂少年文庫)、春陽堂、一九三三年
--尾崎紅葉『二人女・心の闇』(春陽堂文庫)、春陽堂、一九三二年、『青葡萄・煙霞療養』(春陽堂文庫)、春陽堂、一九三五年
--セェ・エフ・ラミュズ『悩めるジャン・リュック』石川淳訳(世界名作文庫)、春陽堂、一九三五年
--長田幹彦『祇園小唄』全四冊(日本小説文庫)、春陽堂、一九三二年
--ゲオルク・カイゼル『朝から夜中まで』北村喜八訳(泰西戯曲選集)、新潮社、一九二四年
--有島生馬『蝙蝠の如く』(代表的名作選集)、新潮社、一九二四年
--ブリュウ『独身婦人 全』中村星湖訳(第一期新潮文庫)、新潮社、一九一四年
--マアテルリンク『マレエヌ姫・闖入者』山内義雄訳(第三期新潮文庫)、新潮社、一九三九年
--ユーゴー『ユーゴー集』高野弥一訳(袖珍世界文学叢書)、中央出版社、一九二九年
--フランソア・コペ『銀の指抜』大野俊一訳(山本文庫)、山本書店、一九三六年
--ハウプトマン『謝肉祭』大野俊一訳(山本文庫)、山本書店、一九三六年

第2章 戦後の絶版文庫 -一九四五~九〇年
--ニコライ・ヴィルタ『孤独』上・下、鹿島保夫訳(青木文庫)、青木書店、一九五三年
--大佛次郎『パリ燃ゆ』全六巻(大佛次郎ノンフィクション文庫)、朝日新聞社、一九八三年
--ドーデー『ナバブ--パリ風俗』上・下、河合享訳(岩波文庫)、岩波書店、一九五二年
--パウストフスキー『森林交響曲』喜田説治訳(潮文庫)、潮出版社、一九七二年
--サミュエル・バトラー『万人の道』上・下、北川悌二訳(旺文社文庫)、旺文社、一九七七年
--アンダソン『夜の逢びき』飯島淳秀訳(角川文庫)、角川書店、一九五三年
--オルダス・ハックスリ『時は止まらねばならぬ』上・下、上田勤訳(角川文庫)、角川書店、一九五三年
--獅子文六『東京温泉--他一篇』(角川文庫)、角川書店、一九五二年、『アンデルさんの記』(角川文庫)、角川書店、一九六五年
--安藤美紀夫『でんでんむしの競馬』(講談社文庫)、講談社、一九八〇年
--柳原白蓮『踏絵・幻の華』(日本文学選)、光文社、一九四七年
--ロベルト・ロッセリーニ『シナリオ ヨーロッパ1951年』太田国夫訳(名作シナリオ文庫)、国際出版社、一九五三年
--リンドグレーン『妖精にあげたハンカチ』山室静訳(サンリオ・ギフト文庫)、サンリオ、一九七六年
--H・G・ウエルズ『ザ・ベスト・オブ・H・G・ウエルズ』浜野輝編訳(サンリオSF文庫)、サンリオ、一九八一年
--ヴォルテール『自然児』池田薫訳(市民文庫)、河出書房、一九五三年
--オレーシャ『羨望』木村浩訳(集英社文庫)、集英社、一九七七年
--里見弴『銀二郎の片腕』(日本文学名作文庫)、新樹社、一九四六年
--アンドレ・スチール『最初の衝突』上・中・下、河合亨訳(新日本文庫)、新日本出版社、一九八〇年
--トルストイ『青春日記』上・下、原久一郎訳(近代文庫)、創芸社、一九五三年
--ジュリアン・グリーン『閉された庭』上・下、新庄嘉章訳(創元文庫)、創元社、一九五三年
--アルツイバーシェフ『最後の一線』上・中・下、米川正夫訳(創元文庫)、創元社、一九五二年
--湯浅克衛『冬の青春』(手帖文庫)、地平社、一九四七年
--諶容『人、中年に到るや』林芳訳(中公文庫)、中央公論社、一九八四年
--アレクサンドル・デュマ『王妃の首飾り』上・下、大久保和郎訳(創元推理文庫)、東京創元社、一九七二年
--オストロフスキー『収入ある地位』石山正三訳(世界古典文庫)、日本評論社、一九四七年、『どんな賢人にもぬかりはある』石山正三訳(世界古典文庫)、日本評論社、一九四九年
--結城哀草果『結城哀草果歌集』(日本文芸叢書)日本文芸社、一九五九年
--クヌート・ハムスン『みじかい北国の夏に』山室静訳(ウェルテル文庫)、早川書房、一九五三年
--リチャード・ライト『アメリカの息子』上・下、橋本福夫訳(ハヤカワ文庫NV)、早川書房、一九七二年
--リチャード・アダムズ『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』上・下、神宮輝夫訳(評論社文庫)、評論社、一九八〇年
--スタンダール『エゴチスムの回想』冨永明夫訳(冨山房百科文庫)、冨山房、一九七七年
--ジェームズ・サーバーほか『野球小説傑作選 12人の指名打者』稲葉明雄/永井淳/村上博基訳(文春文庫)、文藝春秋、一九八三年
--上司小剣『木像』(文潮選書)、文潮社、一九四八年
--ガブリエレ・ダヌンツィオ『罪なき者』脇功訳(ヘラルド映画文庫)、ヘラルド・エンタープライズ、一九八二年
--シュミットボン『山のかなた』川崎芳隆訳(三笠文庫)、三笠書房、一九五一年、『さすらい』川崎芳隆訳(三笠文庫)、三笠書房、一九五二年、『幸福の船』川崎芳隆訳(三笠文庫)、三笠書房、一九五二年

第3章 新しい絶版文庫 -一九九〇~二〇二〇年
--ギッシング『ギッシング初期短篇集 「親の因果が子に報う」他8篇』松岡光治編訳、アティーナ・プレス、二〇一六年
--泉鏡花『化鳥・夫人利生記--いつか読んでみたい一冊1』『絵本の春 寸情風土記--いつか読んでみたい一冊2』『爪びき・道陸神の戯--いつか読んでみたい一冊3』(泉鏡花記念館文庫)、泉鏡花記念館、二〇〇九年、二〇一二年、二〇一七年
--ヤンボ『無限の探検家たち』久保耕司訳(イタリアSF文庫)、イタリアSF文庫友の会、二〇一七年
--L・ムニャチコ『遅れたレポート』栗栖継訳(同時代ライブラリー)、岩波書店、一九九〇年
--室生犀星『庭をつくる人』(ウェッジ文庫)、ウェッジ、二〇〇九年、『天馬の脚』(ウェッジ文庫)、ウェッジ、二〇一〇年
--セアラ・ウィルキンソン『亡霊』市川純訳(英国ゴシック文庫)、英国ゴシック文庫、二〇一四年
--東雅夫編『村山槐多耽美怪奇全集--伝奇ノ匣 四』(学研M文庫)、学習研究社、二〇〇二年
--パスカル・キニャール『世界のすべての朝は』高橋啓訳(伽鹿舎QUINOAZ)、伽鹿舎、二〇一七年
--I・カルヴィーノ『宿命の交わる城』河島英昭訳(河出文庫)、河出書房新社、二〇〇四年
--アルトゥア・シュニッツラー『夜明けのゲーム』川島淳夫訳、近代文藝社、二〇一三年
--ヘンリー・D・ソロー『メインの森--真の野生に向う旅』小野和人訳(講談社学術文庫)、講談社、一九九四年
--ウィリアム・フォークナー『死の床に横たわりて』佐伯彰一訳(講談社文芸文庫)、講談社、二〇〇〇年
--マシャード・ジ・アシス『ブラス・クーバスの死後の回想』武田千香訳(光文社古典新訳文庫)、光文社、二〇一二年
--ミューリエル・スパーク『ポートベロー通り--スパーク幻想短編集』小辻梅子訳(現代教養文庫)、社会思想社、一九九〇年
--アンリ・トロワイヤ『仮面の商人』小笠原豊樹訳(小学館文庫)、小学館、二〇一四年
--ダンセイニ卿『賢女の呪い』稲垣博訳(盛林堂ミステリアス文庫)、書肆盛林堂、二〇一四年
--『アルベール・サマン名訳集成』森鴎外/上田敏/永井荷風/大手拓次/岩佐東一郎訳、小野純一編(盛林堂ミステリアス文庫)、書肆盛林堂、二〇一二年
--イーディス・ウォートン『エイジ・オブ・イノセンス--汚れなき情事』大社淑子訳(新潮文庫)、新潮社、一九九三年
--ボリス・パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』上・下、江川卓訳(第四期新潮文庫)、新潮社、一九八九年
--アベリャネーダ『贋作ドン・キホーテ』上・下、岩根圀和訳(ちくま文庫)、筑摩書房、一九九九年
--ヘルマン・ブロッホ『夢遊の人々』上・下、菊盛英夫訳(ちくま文庫)、筑摩書房、二〇〇四年
--アントニオ・スカルメタ『イル・ポスティーノ』鈴木玲子訳(徳間文庫)、徳間書店、一九九六年
--ノーマン・メイラー『聖書物語』斎藤健一訳(ハルキ文庫)、角川春樹事務所、一九九九年
--ホレーニア『白羊宮の火星』前川道介/平田達治訳(福武文庫)、福武書店、一九九一年
--ジョヴァンニ・ヴェルガ『尼僧の恋』、古沢紅/鶴田真子美訳(扶桑社ミステリー)、扶桑社、一九九四年
--ウォルター・デ・ラ・メア『なぞ物語』野上彰訳(フレア文庫)、フレア、一九九六年
--カルデロン・デ・ラ・バルカ『驚異の魔術師 ほか一篇』佐竹謙一訳(平凡社ライブラリー)、平凡社、一九九七年
--A・ブローク『薔薇と十字架』小平武/鷲巣繁男訳(平凡社ライブラリー)、平凡社、一九九五年
--エリック゠エマニュエル・シュミット『モモの物語』番由美子訳、メディアファクトリー、二〇〇四年

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読後レビュー

全1件

  • 予想以上の内容

    単調にならないような書きぶりが良かった。
    どこからでも読め、どこでも止められる。
    電車で読むのに最適でした。 (2022/01/30)

    GOOD!0
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