| 著者 | 真樹日佐夫 梅本さちお |
|---|---|
| 出版社 | マンガショップ |
| 判型 | B6版並製 |
| ジャンル | コミック・漫画 |
代表作『ワル』に対抗するべく、ライバル誌の「週刊少年サンデー」が
大胆にも同じ原作者を起用したのが本作――『とべない翼』である。
どちらの作品も限りある青春を精一杯生きる若者の姿を通して、人間の本質を鋭くえぐった名作だが、特に『とべない翼』は真樹日佐夫が重んじる“美醜”というテーマが最も反映された作品だ。
主人公の五代明は学費を稼ぐため銀座のバーでボーイになるが、客の金を盗
み鑑別所と少年院に収容されてしまう。その中での情景描写や収容者同士の
隠語など実際に拘置された者しか知りえない情報が満載でそこいらの作品と
は格段にリアル度が違のだ。まさに真樹ファンにはたまらない作品といって
いい。
さらに作画を担当した梅本さちおは、1968年から「少年ジャンプ」に連載
した『くじら大吾』が注目を集め、『とべない翼』の数カ月後に始まった
『アパッチ野球軍』が大ヒット。漫画家として頂点を迎えつつある時期だ
った。その荒々しい中にも緊張感溢れる独特のタッチが、少年院収容者の
屈折した心情をみごとに描ききっている。
1971年当時、某出版社から全4巻で単行本化される予定が、なぜか1巻しか
刊行されずに終わった幻の名作をみなさんの目で確かめていただきたい。
《初出》
「週刊少年サンデー」(小学館)
1970年2月
大胆にも同じ原作者を起用したのが本作――『とべない翼』である。
どちらの作品も限りある青春を精一杯生きる若者の姿を通して、人間の本質を鋭くえぐった名作だが、特に『とべない翼』は真樹日佐夫が重んじる“美醜”というテーマが最も反映された作品だ。
主人公の五代明は学費を稼ぐため銀座のバーでボーイになるが、客の金を盗
み鑑別所と少年院に収容されてしまう。その中での情景描写や収容者同士の
隠語など実際に拘置された者しか知りえない情報が満載でそこいらの作品と
は格段にリアル度が違のだ。まさに真樹ファンにはたまらない作品といって
いい。
さらに作画を担当した梅本さちおは、1968年から「少年ジャンプ」に連載
した『くじら大吾』が注目を集め、『とべない翼』の数カ月後に始まった
『アパッチ野球軍』が大ヒット。漫画家として頂点を迎えつつある時期だ
った。その荒々しい中にも緊張感溢れる独特のタッチが、少年院収容者の
屈折した心情をみごとに描ききっている。
1971年当時、某出版社から全4巻で単行本化される予定が、なぜか1巻しか
刊行されずに終わった幻の名作をみなさんの目で確かめていただきたい。
《初出》
「週刊少年サンデー」(小学館)
1970年2月