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文芸書
大野誠夫
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まず何よりも、今ではこのての真性の美しい日本語にめぐりあうことがあまりないということ。
大正のはじめに生まれた一人の男の人生をたどる興味もつきないが、なによりも端麗な、みごととしかいえない日本語を読む愉悦がそこにある。
また、ある意味歴史書としても興味深い。今では遠くなってしまった大正時代の東京近郊の農村の暮らし、当時の人々の生活のありさまが生き生きと描写されており、読みながら興奮した。特に子供の生態の描写が迫力がある。
大野誠夫という歌人は、戦後の一時期広く読まれたようだが、一時まったく忘れられ、近年再評価が進んでいる。生誕100年を控え、是非復刊して広く若い人に読んでほしい。

2009/05/20