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レビュー
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水底の女
「湖中の女」から「水底の女」へ
チャンドラーファンではありませんが、村上春樹さんが訳したというので読んでみました。
この本でチャンドラーの全7作を全て訳したことになるそうで、この「水底の女」を翻訳の最後に回した理由や、なぜ清水訳&田中訳があるのに新訳を出そうと思ったのか、その理由が「訳者あとがき」に書かれています。個人的には、比喩にしろ、文体にしろ、なぜ春樹さんやチャンドラー信奉者の人がそこまでチャンドラーに思い入れているのか、これまでよくわからなかったのですが、この「訳者あとがき」だけでも、新訳を読む価値は十分ありました。
それにしても旧訳ではタイトルが「湖中の女」だったようなので、タイトルだけでも印象がずいぶん違ってきますね。(2018/09/12) -
おおきな木
半世紀以上、世界中で愛されてきた本
あとがきによると、1964年にアメリカで出版され、それ以来30以上の言語に翻訳されているロングセラーということです。日本でも長らく本田錦一郎さんの訳で親しまれていたようですが、私は村上春樹さんが翻訳したということで初めて知り、40歳を過ぎて読んでみました。あっという間に読める文章量で、内容的にもごくふつうの児童書というか絵本というか、といった印象で、世界中でロングセラーになるほど特別な本とは思えないのですが、まあ、シンプルなストーリーだからこその普遍性とか、解釈の多様性とかに思いを馳せていくと、「深み」はあるかもしれません。また時間をおいて読んでみたいと思います。(2018/03/17)
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Cocco Forget it,let it go
【著者】SWITCH