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著者 | 小宮 隆太郎、日本経済研究センター (編集) |
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出版社 | 日本経済新聞社 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784532132361 |
登録日 | 2010/07/04 |
リクエストNo. | 50780 |
リクエスト内容
日銀の金融政策のうち特に、2001年3月より始まった「量的金融緩和」とその拡大の是非、および日銀が「インフレターゲット」を設定すべきか否か、という2点を中心とした、経済学者・エコノミストらの論議を集成したものである。
本書の特徴は、何といっても「豪華な執筆陣」である。編者の小宮隆太郎教授をはじめ、日本を代表する10人の経済学者・エコノミストが論文の執筆あるいは討論への参加という形で名を連ねている。金融に関する書物でこれだけの顔ぶれをそろえているものは、ほかにあまり例を見ないであろう。そして、あえて「日銀批判派」と「支持派」の両者を執筆メンバーに加え、それぞれの立場から舌鋒鋭く議論を展開しているのが本書のおもしろいところである。
本書は3部構成となっている。第1部はいわば導入として、デフレや金融緩和に関する実証研究を中心とした5本の論文を掲載している。そして第2部は、「日本銀行の金融政策をどう評価するか」というテーマの討論会が収録されている。そして第3部は「日銀批判をめぐって」と題し、前2部で行われた議論を踏まえ、各論者が再び自らの考えを述べる、という形を取っている。
このように「両論併記」の形式を取っているために、本書には最終的な結論といったものが存在せず、それに不満を覚える人もいるかもしれない。また、意見の応酬の中で、多少水掛け論的な部分が含まれていることも否めない。しかし、各執筆者が社会観や歴史観ともいうべき価値観をぶつけあい真摯な議論を闘わせているため、全体としては非常に読みごたえのある書物となっている。
ここでの論議を理解するには、経済学についての基本的な知識は必須と思われるが、経済や金融に関心のある社会人が金融政策の理解を深めるのためにはもちろんのこと、経済学を学んでいる学生が、金融政策や経済学の奥深さを知るのにも好適な書といえるだろう。(戸田啓介)
日銀の「金融緩和」は愚策か妙策か?最高のエコノミストたちの激しく熱く、冷静な闘論会。
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読後レビュー
NEWS
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2010/07/04
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