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お葬式の言葉と風習

高橋繁行

1,980円(税込)

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著者 高橋繁行
出版社 創元社
判型 四六判
頁数 192 頁
ジャンル 専門書
ISBNコード 9784422230412

商品内容

今日のように葬儀が業者によって行われるようになる前は自宅で葬式をして出棺の儀をし、野辺送りで火葬場や埋葬地に向かい、火葬や土葬をするのが普通だった。土葬は、条例で禁止されている東京都や大阪府、名古屋市などを除くと、感染症による死亡などは別にして、法律違反ではないが、平成とともに大半が消えてしまった。
本書は柳田國男の『葬送習俗語彙』(昭和12年刊)に出てくる言葉の中から約180を選び、著者が約30年行ってきた聞き取り調査を盛り込みながら切り絵とともに解説したもの。喪のはじまりから、死者と向き合う湯灌・納棺、野辺送りの葬列、土葬・火葬・風葬の作法、魂がふるさとに帰る忌中祓い儀礼まで、伝統的なとむらいの諸相を明らかにする。それらは今日では考えられないほど死者に対する供養の心がこもっているが、同時に、死者や死に対する恐れの気持ちも強く反映されていた。
「国替え」「広島にタバコ買いに行った」「耳ふたぎ」「枕返し」など各地の葬送習俗に使われる言葉は独特の隠語で、馴染みがないと何を言っているのか分からないことが多い。それらの言葉を解き明かしながら、日本で長いあいだ行われていた葬送に関する風習を見つめ直し、日本人の精神生活を考える。著者の文章は軽妙で、また著者自身による切り絵は、写真では生々しすぎる情景を抵抗感なく目にすることができ、切り絵作品としても不思議な魅力があって引きつけられる。

▼目次
1 喪のはじまり~お葬式の奇妙な隠語
--国替え
--広島にタバコ買いに行った
--野送り
--色着
--耳ふたぎ
--ジャンポン
--都参り
--影隠し
--声をかける
--笈巻く ほか

2 死亡直後の作法
--枕返し
--火をかぶる
--火負け
--別火屋
--精進宿
--死に火
--外座
--取り拵え
--無常小屋
--四花
--コシオレ・ヤボタ・ムコテンガイ
--魂袋 ほか

3 湯かん・納棺、通夜、出立ちの盃
--湯かん
--香剃り受け
--入棺
--逆さ水
--めでたい木綿
--頭陀袋
--極楽縄
--すまぼし
--孫杖
--孫を抱かせる
--夜伽
--三人搗き
--添い寝
--大病通夜 ほか

4 野辺送り~死人とともに冥土への旅路
--野辺送り
--先松明
--水持ち
--先火
--飯持ち
--野辺送りダンゴ
--飾り煎餅
--四つ餅
--六役
--色裃
--シハン・卍布
--忌中笠
--白ども
--色 ほか

5 三昧にて
--1 土葬
 --野拵え
 --道灯籠
 --穴掘り酒
 --廻り場
 --野机
 --野葬礼(墓葬礼)
 --埋け下ろし
 --いも埋け
 --無常の煙
 --卵塔
 --蓮台野 ほか
--2 野焼き火葬~荒野古原の火葬場にて 死体は踊る!
 --山じまい・サカドモ
 --ムセヤ・ホド・廟所
 --野の人(三昧太郎)
 --灰塚
 --山じまい・ネフタ ほか

6 野帰り~死者とかわす無言劇
--足洗い水・水汲み
--たちがわらけ
--親払い
--土蓋
--摩払い・枕石
--仏木
--野帰り膳 ほか

7 日本人の弔いの源流
--1 モガリ風葬墓
 --モガリ
 --モガリ(パゴダ風)
 --狼はじき
 --井垣
 --霊屋
 --スズメ堂
 --スヤ
 --埋け墓
 --サンマイ ほか
--2 風葬
 --洞窟型モガリ
 --キチバカ(風葬)
 --イゴウナ(風葬)
 --トフロ
 --シルフィラシ
 --後生山・ハミゴウ遊びほか

8 四十九日まで
--忌中払い
--釘モチ
--釘念仏
--悔み念仏
--願ほどき
--モノオイ
--三日の洗濯
--洗いざらし
--流れ灌頂
--七日んびき
--精進あげ・お棺割り
--仏降ろし
--花寄せ
--笠モチ・四十九モチほか

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読後レビュー

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  • 興味深く読めました

    とかくタブー視されがちな人の死とお葬式。
    風習や隠語…死者を恐れる一方故人を慕い敬う、日本独自の死生観が垣間見える良書だと思います。
    切り絵も雰囲気がよく伝わります。
    友人の会社(葬祭関係)にもこちらの元書があるそうですが、絶版となっており価格もとても手が出るものではないため買うにはいたらずとも復刊を喜んでおりました。
    勝手にハードカバーだと思い込んでいたので、手に取った印象としては「えっ? こんなもの?」でしたが。 (2020/11/05)

    GOOD!0
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