オレは…スゲェヤツになりてぇ……！！
日本の生活が窮屈で、はみ出し者の主人公しゅうは自由を求め、アメリカへ旅立った。
しかし、そこで見たものは,売春で暮らす少女や麻薬の密売をする少年たち…
彼らは言う,金が無けりゃ誰も生きてけやしねぇんだ！……と。
…アメリカの自由の底にあるものは,金だけなのか！？
オレには…オレには,いったい何ができるんだ―――
カメラを手に…　しゅうは人間を撮る。
金もうけのチャンスなんかクソくらえだぜっ……
本当のきみの姿を…、オレが…　撮ってやるよ―――！！

タイトルのサードストリートとは,アメリカ・ロサンゼルスのメインから外れた通り、夜になると麻薬売買が行われるような怪しげな通り…のことである。
この作品は作者の初めてのオリジナル物であり,　アメリカで１年暮らした実体験に基づく青春漫画である。
現状打破しきれない苛立ちと、ガムシャラにつっぱしる若いエネルギーに満ちた意欲作で、作者の青春の葛藤を感じる。一編の漫画としてのまとまりは弱いかもしれないが,　このはみ出す熱さこそ青春であり,　カリスマ性のある隠れた名作である。
絶版している今,　ぜひとも文庫化を切望する。