2 票
著者 | 中井英夫 |
---|---|
出版社 | 平凡社 |
ジャンル | 文芸書 |
ISBNコード | 9784582810271 |
登録日 | 2006/06/21 |
リクエストNo. | 34310 |
リクエスト内容
1922年に51歳で死んだプルーストの墓の前に1922年に生まれて51歳になった奴がいる。これは偶然の戯画といったものだが、本人にしてみれば思いの深いもので、その機縁はフレス氏からふと差出されたベチベル草の仄かな香りにあった。香への誘い、香りへの旅は、やはり時間を超えた旅になるほかはなく、その彼方にだけ香りの王国はあった。
作家、中井英夫氏が、「虚用書」と呼んだ、香りへのオマージュ。1973年に写真家の佐藤明氏とともにフランスへ渡欧取材するとともに、京都の香道についても材を取り、香りについての生物学・博物学的随想、小説と詩、そして美しい写真で構成された中井氏の代表作のひとつで、平凡社カラー新書27として出版された。時を同じくして書かれた著作「薔薇幻視」との合本版として、写真を差し替えられ、東京創元社から文庫として刊行されているが、写真がかなり割愛され、原書に馴染んだ読者にはやや物足りない内容である。また、文庫としては価格もかなり高く、若年層にはいささか購入しにくい。リクエスト希望の新書判は現行版とかなり写真が異なっており、本書をお読みになったことがない若い読者にぜひお薦めしたい。1975年出版、143頁、定価は550円。
登録者の評価★★★★★★★★★★
【目次】
◇カラー版8頁:香りの渓間へ
■香りの渓間への招待
虚用書の弁 水星の騎士
◇カラー版16頁:香りへの旅
■香りへの旅1
ナンテールの町にて 香りの渓間には
■失われた香を求めて
プルーストとベチベル草 香りよ、眠れ
■香りへの旅2
日本人旅行者の夕暮 囚われの小鳥たち
◇カラー版16頁:香りの伝統
■美しい滅びの芸術
三景香を聞いて 深山香の試み
◇カラー版8頁:香水詩集
■香りと文学と
■香りの植物園~香草辞典
◇カラー版16頁:低地の邑への旅(小説)
■あとがき:花火闇の中で
投票コメント
全2件
読後レビュー
NEWS
-
2006/06/21
『香りへの旅』(中井英夫)の復刊リクエスト受付を開始しました。
復刊実現の投票はあなたの投票から。
復刊リクエスト投票であなたの思いを形にしましょう!
マチャ