闇の西洋絵画史 第2期:5巻セット〈白の闇〉篇
山田五郎
著者 | 山田五郎 |
---|---|
出版社 | 創元社 |
判型 | B6変 |
頁数 | 320 頁 |
ジャンル | 実用書 |
ISBNコード | 9784422701424 |
商品内容
第2期【白の闇】篇刊行。
堂々のシリーズ完結!
大好評シリーズ「アルケミスト双書」、『闇の西洋絵画史』篇、全10巻がついに完成!!
西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。
著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。
シリーズ全10巻のうち、第2期5巻がセットに
テーマは「白の闇」。
▼セット内容
6巻「天使」
7巻「美童」
8巻「聖獣」
9巻 「楼閣」
10巻「殉教」
▼6巻「天使」 まえがき
天使というと、全てを許し優しく見守ってくれる存在をイメージしがち。
けれども、少なくとも聖書に登場する天使たちは、そんなに甘くはありません。
彼らは文字通り天=神の使いだからです。
キリスト教の神様は、人々を守り導いてくださるだけでなく、時には理不尽なまでの試練と罰をお与えになります。
それを遂行するのが天使の役目。
彼らは神の御心を地に行う警察官であり兵士です。
人の死を宣告し、街を焼き払い、世界を滅す天使たちは、行いだけを見れば悪魔と変わりません。
そこにある違いはただひとつ、神のご意志に忠実であるか否かだけ。
キリスト教における天使は、悪魔と表裏一体の、意外に怖い存在なのです。
▼7巻「美童」 まえがき
古代ギリシャの哲学者プラトンは、肉体的な愛より精神的な愛の方がレベルが高く、さらに高度なのは特定の人間の美しさではなく
普遍的な美の概念を愛することだと説きました。
彼らが美童を愛した理由のひとつはここにあります。
魔性の女の美が「性の過剰」なら、美童の美は「性の欠如」。
肉体的な愛の対象になりにくい分、精神的な愛を注ぎやすいのです。
女性が美童を愛する場合も同じ。
精神的な少年愛に男女差はありません。
とはいえ、猿楽の大成者・世阿弥が看破したように、美童の美しさは「時分の花」。
成熟しても年老いても変わらず残る普遍的な美こそが「まことの花」と知るべきでしょう。
▼8巻「聖獣」 まえがき
聖獣には、大きく分けて2種類あります。
ひとつはユニコーンやグリフィンなど空想上の動物で、人に恵みをもたらすもの。
中国の麒麟や鳳凰と同じ「瑞獣」です。
同じ架空の生き物でも、人に害をなすものは、怪物や悪魔の範疇に入れられます。
もうひとつは、羊や鹿など実在の動物で、ギリシャ神話の神々の使いや
キリスト教の聖人の象徴とされるもの。
日本の山王神に対する猿や稲荷神に対する狐と同じ「神使」です。
いずれも歴史画や宗教画において登場人物が誰であるかを示す「アトリビュート(持物)」
として描かれることが多いので、聖獣への理解を深めておくと、西洋古典絵画の解読に役立ちます。
▼9巻「楼閣」 まえがき
西洋古典絵画の王道である歴史画は、画家が見たことのない過去の情景を描く絵画。
そして絵を描く上での大きな楽しみは、想像力を膨らませることにほかなりません。
だから画家はえてして時代考証より自身の美意識を優先し、理想の光景を描き出します。
中でも多くの画家が力を入れたのが建築でした。
現実には建造不可能な楼閣も、絵画なら自在に描き出せるのですから。
かくして西洋絵画には、歴史画の名を借りた空想楼閣が
林立することになったのです。そこには画家個人の美意識だけではなく、それぞれの時代の夢と欲望、あるいは絶望が、形となって映し出されています。
▼10巻「殉教」 まえがき
西洋絵画に描かれるキリスト教の殉教とは、信仰や義のために甘んじて死を受け入れること。
イエスは信仰のために迫害されたときは「他の町へ逃げて行きなさい」と教えています。
戦わずに逃げるのも、逃げ切れなくなれば無抵抗で死を受け入れるのも、「悪人に手向かってはならない」からです。
つまり、殉教とは決して自分から望む目的ではなく、あくまで他者や状況に強いられてやむをえず甘受する結果であり、もとより教会が推奨するところではありません。
それでも殉教者の多くが聖人として崇敬され、幾多の宗教画に描かれてきたのは、人々の罪を贖うために無抵抗で自らの命を犠牲にしたイエスの受難に重なるからです。
堂々のシリーズ完結!
大好評シリーズ「アルケミスト双書」、『闇の西洋絵画史』篇、全10巻がついに完成!!
西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。
著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。
シリーズ全10巻のうち、第2期5巻がセットに
テーマは「白の闇」。
▼セット内容
6巻「天使」
7巻「美童」
8巻「聖獣」
9巻 「楼閣」
10巻「殉教」
▼6巻「天使」 まえがき
天使というと、全てを許し優しく見守ってくれる存在をイメージしがち。
けれども、少なくとも聖書に登場する天使たちは、そんなに甘くはありません。
彼らは文字通り天=神の使いだからです。
キリスト教の神様は、人々を守り導いてくださるだけでなく、時には理不尽なまでの試練と罰をお与えになります。
それを遂行するのが天使の役目。
彼らは神の御心を地に行う警察官であり兵士です。
人の死を宣告し、街を焼き払い、世界を滅す天使たちは、行いだけを見れば悪魔と変わりません。
そこにある違いはただひとつ、神のご意志に忠実であるか否かだけ。
キリスト教における天使は、悪魔と表裏一体の、意外に怖い存在なのです。
▼7巻「美童」 まえがき
古代ギリシャの哲学者プラトンは、肉体的な愛より精神的な愛の方がレベルが高く、さらに高度なのは特定の人間の美しさではなく
普遍的な美の概念を愛することだと説きました。
彼らが美童を愛した理由のひとつはここにあります。
魔性の女の美が「性の過剰」なら、美童の美は「性の欠如」。
肉体的な愛の対象になりにくい分、精神的な愛を注ぎやすいのです。
女性が美童を愛する場合も同じ。
精神的な少年愛に男女差はありません。
とはいえ、猿楽の大成者・世阿弥が看破したように、美童の美しさは「時分の花」。
成熟しても年老いても変わらず残る普遍的な美こそが「まことの花」と知るべきでしょう。
▼8巻「聖獣」 まえがき
聖獣には、大きく分けて2種類あります。
ひとつはユニコーンやグリフィンなど空想上の動物で、人に恵みをもたらすもの。
中国の麒麟や鳳凰と同じ「瑞獣」です。
同じ架空の生き物でも、人に害をなすものは、怪物や悪魔の範疇に入れられます。
もうひとつは、羊や鹿など実在の動物で、ギリシャ神話の神々の使いや
キリスト教の聖人の象徴とされるもの。
日本の山王神に対する猿や稲荷神に対する狐と同じ「神使」です。
いずれも歴史画や宗教画において登場人物が誰であるかを示す「アトリビュート(持物)」
として描かれることが多いので、聖獣への理解を深めておくと、西洋古典絵画の解読に役立ちます。
▼9巻「楼閣」 まえがき
西洋古典絵画の王道である歴史画は、画家が見たことのない過去の情景を描く絵画。
そして絵を描く上での大きな楽しみは、想像力を膨らませることにほかなりません。
だから画家はえてして時代考証より自身の美意識を優先し、理想の光景を描き出します。
中でも多くの画家が力を入れたのが建築でした。
現実には建造不可能な楼閣も、絵画なら自在に描き出せるのですから。
かくして西洋絵画には、歴史画の名を借りた空想楼閣が
林立することになったのです。そこには画家個人の美意識だけではなく、それぞれの時代の夢と欲望、あるいは絶望が、形となって映し出されています。
▼10巻「殉教」 まえがき
西洋絵画に描かれるキリスト教の殉教とは、信仰や義のために甘んじて死を受け入れること。
イエスは信仰のために迫害されたときは「他の町へ逃げて行きなさい」と教えています。
戦わずに逃げるのも、逃げ切れなくなれば無抵抗で死を受け入れるのも、「悪人に手向かってはならない」からです。
つまり、殉教とは決して自分から望む目的ではなく、あくまで他者や状況に強いられてやむをえず甘受する結果であり、もとより教会が推奨するところではありません。
それでも殉教者の多くが聖人として崇敬され、幾多の宗教画に描かれてきたのは、人々の罪を贖うために無抵抗で自らの命を犠牲にしたイエスの受難に重なるからです。
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