佐藤・ニクソン共同声明を作成し沖縄返還に向けた対米交渉に深く関わり、日中国交正常化交渉においても日中共同声明の日本側原案を起筆するなど、外交史上の重要局面にて大きな役割を果たした外務官僚・栗山尚一。 ...

外微分形式の方法は、従来の1階偏微分方程式の解法を一新した。まず、座標系によらず自由に駆使する基礎を与え、特性系の概念のもとに偏微分方程式の古典的求積論を統一する。包合系の理論の最近の発展をも紹介。

1変数の複素関数に関する基礎理論を多変数の土壌に移植した岡潔の仕事を中心に紹介。 近年の成果として、多変数複素関数論が幾何学、数論・代数学、1変数関数論などと関わるL2拡張定理の応用と精密化を増補。

多様体の大域的構造を、ベクトルバンドルという概念を軸に解説する優れた入門書。 線形代数、位相空間、微積分を予備知識に多様体の概念を丁寧に導入し、リーマン計量、微分形式までとりあげる。章末問題・解答付き...

アウグスティノ修道会士が精力的に収集し総合した、十六世紀中国（明王朝）の全体像。 豊沃な土地、勤勉な民衆、完備された政治制度をもつ中国を大王国としてリアルに描きだす、西欧人の中国認識の基礎となった書物...

和辻哲郎が「殆んど驚愕に近い感じを受けた」と述べた、イエズス会士ホセ・デ・アコスタ（一五四〇-一六〇〇）による、新世界に関する最初の科学的報告。 上巻では新大陸の気象、地形、動植鉱物等を詳述する。

イエズス会士ホセ・デ・アコスタによる、新世界に関する最初の科学的報告。 下巻では、新世界における偶像崇拝、信仰、文字、暦、社会制度、戦争等について詳述する。 無名征服者による「ペルー征服記」を併収。...

ポルトガル大使トメ・ピレスによる一大地理書。 マレー、スマトラ、ジャワ、香料群島、中国、日本、インドなど、十六世紀前半、香料貿易を独占しようとしたポルトガル王家が秘匿したアジア地域に関する一大記録。

コロンブスの新世界到達、マゼラン船団の世界周航、ガマのインド航路開拓、バルボアの大平洋発見、「新大陸」の存在を確認したアメリゴ…。航海者たちの野望、執念と、近代史の変動を決定した大航海時代の幕開け。

アズララ『ギネー発見征服史』とカダモスト『航海の記録』を収録。 前者は西アフリカへの航路を開拓したポルトガルの航海王子エンリケの功績を詳述。カダモストは、エンリケの勧誘に応じ西アフリカを航海したヴェネ...

「岩波オンデマンドブックス」シリーズにて復刻決定！ 聖人・孔子像の脱神話化の試み-春秋戦国から清朝まで、儒教の形成史をたどり、宗教運動としてのダイナミズムに迫る。

「近代」の意味を生活世界に根ざす視角から問い直す「通俗道徳」論を出発点に、絶えざる方法的省察を通じて紡ぎだされた著者の「民衆思想史」。 その形成と展開，ゆくえを見通すべく、代表的な論考と単行本未収録論...

歴史理解において宗教を特に重視する著者の民衆宗教研究は、近接諸分野にも多大な影響を与えた。宗教の歴史的役割を巡る見方の転換も含む、半世紀にわたる模索を跡づけ、安丸宗教論の全体像を示す。（解説＝島薗進）

測度論、ルベーグ積分論を中心に、実解析の基本をていねいに解説する。初学者が順を追って理解できるように、すべての定理に証明を付した。 さらに超関数、フーリエ解析、ウェーブレット解析の考え方を明快に説明し...

故郷と時代に根差しながら、寓話的でコスモポリタンな魅力に満ちた賢治の作品世界。 『西遊記』『唐詩選』との比較検証から賢治が見つめた中国を浮き彫りにし、彼の「求道」精神や創作の源泉を追究する。新鮮で卓抜...

「岩波オンデマンドブックス」シリーズにて復刻決定！ 日本中世において芸能に生きた人々は、その呪術的職能に基づく独自の信仰世界を有していた。猿楽始源伝承に登場する「後戸の神」の検証や宿神像の考察など...

日本人初のフィールズ賞受賞者、小平邦彦。複素多様体論で世界をリードするに至った過程は、独自の数学世界を切り拓くヒントと根源的な問いに満ちている。論文集や自伝、エッセイを元にその思考の軌跡を再現する。

ハーンは20世紀前半の中国においてどのように受容されたか。 日中関係史を再検証しつつ作家没後のドラマを追跡。日本思想史における八雲の再評価とともに中国近代史における重要性を明快に論証。新たな作家像を描...

数論的ないし体論的方法による局所類体論の大要を初等的な立場から解説。代数学の基礎と位相空間論、位相群論の基礎を予備知識として、最も基本的な諸成果を端的に伝える。数論研究の第一人者による珠玉の著作。

戦後日本の政治史学を確立した岡義武は、1936年ロンドンで留学生活を始める。エドワード8世の退位騒動から下宿先での交流まで、戦争の足音近づくロンドンそしてヨーロッパを、クールにまたあたたかく描き出す。