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レビュー
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そっくりパン
そっくりパン
三十数年前、私が幼稚園に入園して初めて配本された、大好きな絵本です。母が残しておいてくれたので今では私の子供達に読み聞かせていますが、さすがにぼろぼろになってきました。言葉のリズムがとてもよく歌うように読めるので、読み聞かせするうちに覚えてしまうほどです。春の野原のまん中のお家でみみーおばさんと一緒にパン作りをしている気分になります。
よいしょよいしょとねって、くるくるくるとまるめていろんな形を作って、さっさっさっとかまにいれて。やがて、ほわわんほわわん・・・こうばしいにおいがしてきます。ところがパン焼き釜をあけたとたんみみーおばさんは「きゃっ!」ととびはねます。なぜならふくらし粉を入れすぎたパンはぷくりんぷくりん、どんどんふくらみ続けるのです。そして・・ミリミリ、メリメリ、バリバリ、バリーン!おうちはばらばらに壊れてしまいます。ところがみみーおばさんはメゲません。森のお友達をよんでみんなで好きなだけ食べました。そとっかわは残して、新しいおうちができるまでパンのおうちに住むことにしました。・・・
こねるときにはパン生地のねっとりした感触が伝わるようですし、自分ならこんな形にする、など考えるのも楽しいものです。ふくらみ続けるパンとこんがり焼けたおうちパン、両者は質感もにおいも異なることが伝わりますが、どちらもとってもおいしそう。おうちが壊れるところは、子供達の緊張がはじけて一番喜ぶ場面です。そしてみんなで食べるシーンで皆に配られているジュース、脇役ですが、いったいどんな味なんだろうと想像を搔き立てられる色。子供の頃は、おうちパンとジュースが欲しくてたまらなく、よだれが出そうになりました。パンのおうちに住むなんてのも夢のようです。雨が降ったらどうなるのかな・・なんて心配したりもしました。
まさに五感と想像力が総動員される秀作です。是非多くの子供達に読んでほしい本です。(2012/04/16)
復刊リクエスト投票
カロリーヌのせかいのたび <オールカラー版 世界の童話>
【著者】ピエール・プロブスト
夢に出てくるほどのめりこみました。
本屋でBL出版から出ているのを見つけて喜びましたが、
昔読んでいた小学館版と違って絵が雑になっており、訳も読みづらくてがっかりしました。
娘ができて、小学館版のカロリーヌを読んでやりたいと思い探し回って、ようやく国会図書館から取り寄せてカラーコピーすることができました。
しかしやはり本の形で持っておきたいです。
このシリーズ全刊の復刊を望みます。(2013/06/09)
カロリーヌのつきりょこう <オールカラー版 世界の童話>
【著者】ピエール・プロブスト 土家由岐雄 福島のり子
夢に出てくるほどのめりこみました。
本屋でBL出版から出ているのを見つけて喜びましたが、
昔読んでいた小学館版と違って絵が雑になっており、訳も読みづらくてがっかりしました。
娘ができて、小学館版のカロリーヌを読んでやりたいと思い探し回って、ようやく国会図書館から取り寄せてカラーコピーすることができました。
しかしやはり本の形で持っておきたいです。
このシリーズ全刊の復刊を強く望みます。(2013/06/09)
カロリーヌとおともだち <オールカラー版 世界の童話>
【著者】ピエール・プロブスト
そっくりパン
【著者】早野洋子 文 / 柏村由利子 絵
子供の頃の一番のお気に入りで、大切にとってきましたが、自分の子供に読み聞かせるうちぼろぼろになってきました。(2012/04/16)