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• 電話がなっている

  【著者】川島誠

  表面は受験戦争を描いて、さりげなく根元的な問いかけがなされる「ぼく、歯医者になんかならないよ」。これまで読んだことのないタイプの表題作「電話がなっている」。思春期のごった煮ともいえる、脈絡のない感情の有り様を表現した「悲しみの池、喜びの波」など。個々の作品のインパクトと、バリエーションでも読ませる優れた短編集。長谷川集平の挿絵が、作品との絶妙なコンビネーションを醸し出している。(2000/06/21)