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レビュー

  • 火の鳥《オリジナル版》復刻大全集 ヤマト編・宇宙編

    手塚治虫

    宇宙編

    個人的に、一番好きな話しがこの宇宙編です。

    シリーズを通して、火の鳥は様々なシンボルとして描かれています。

    時には、生。

    時には、死。

    時には、自然。

    時には、地球。

    この宇宙編では、宇宙の一部・・・それとも宇宙そのものとして。

    火の鳥の存在に、明確な答えはないようにおもえます。

    それでも、この宇宙編での存在は、生命と想いが強く描かれています。

    それも、終わることのない生命と想いが。

    交わることのない二つのことが重なる時、片方の終わりが始まる。

    それは美しくもあるが、残酷でもある。

    その姿を見ている火の鳥は、こうなることを知っていながら、ひとりの男が堕ちていく様を見つめて、物語は終わりへ始まる。

    火の鳥シリーズは、いろいろな面で謎解き要素があるので、レビューと言っても、書き方が難しいですね。

    物語は未来の地球から、ある使命をおった若者たちが、コールドスリープを繰り返しながら宇宙へ旅立ったのですが、宇宙船という密室で、自殺というかたちでひとりの死者がでてしまう。

    しかしその後、あれは自殺ではない。殺されたのだと言う者があらわれる。

    自殺なのか、他殺なのか、しかし答えはとんでもないところから発覚する。

    これ以上は、答えになってしまうので、気になるかたは是非ともこの本を読んでみてください。


    、(2012/03/21)

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