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• 〈卵王子〉カイルロッドの苦難

  【著者】冴木忍

  今では本屋さんで買えない懐しいタイトル。
  
  単純に明るい話ではなく、悲しいストーリー展開だったけれど、単行本を読み進めて最後の家族の挿絵にとても救われました。
  
  真剣に読んだ、思い出深い作品です。
  たくさんの人々が、カイルロッド本人も知らない時期から、彼を救おうと長い長い時間と準備をかけて奮闘していたこと。
  中学生当時、読みながらたくさん泣いて人生観を学んだ気がします。
  
  作中でキャラクター達が言ったセリフは、たくさん覚えています。
  特に、女性傭兵のセリフは印象的でした。
  「人間はね、自分に出来ることをするしかないんだよ」って。
  
  この作品が、投げ出したくなったり、苦しくて甘えたい弱い私を、25年以上支えてくれていた事に、自分でも驚きです。
  
  自分の子どもが小学高学年になり、親からプレゼントして一緒に楽しみたい作品だな、と思いました。
  
  ぜひ、復刊をよろしくお願いします。
  アニメ化も楽しみに、応援しています。
  今ならとても壮大なスケールで、世界観を再現出来ると期待しています。(2024/04/07)