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  • イメージ、それでもなお

    【著者】ジョルジュ・ディディ=ユベルマン

    本書は、アウシュビッツからもたらされた4枚の写真を題材として、それらのイメージに向き合おうとするものである。

    強制収容所のイメージについては、『ショア—』の監督ランズマンに代表される、表象が不可能であるという言説がついてまわる。しかし著者は、そうした表象不可能性にたつ言説を厳しく批判する。

    イメージを消し、圧し殺したアウシュビッツの「すべてに抗して」生き延びたこれらのイメージに対し、著者はこう語る。「われわれはそれに答えてそれらを熟視し、引き受け、理解しようと試みなければならない。すべてに抗してのイメージ。それらにふさわしいやり方でそれらを見ることができないという、われわれ自身の不能に抗して。商業的イメージで窒息せんばかりの、われわれ自身の飽食な世界に抗して。」

    義務として債務として真摯にイメージに向き合い、読んでゆく姿勢は、イメージを見るということに対する根源的な問いかけとして、重く響く。イメージを扱う研究・思考の基本図書として、復刊を強く希望する。(2013/04/16)

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