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ヴィオロンさんの公開ページ 復刊投票コメント一覧

復刊リクエスト投票

  • 聖王ルイ―西欧十字軍とモンゴル帝国

    【著者】ジャン・ド ジョワンヴィル

    書き手が自分であろうと他人であろうと、その事件の当事者が綴ったが為に、歴史事象の貴重な資料となり得る「回想録」は、近現代史なら沢山あるが、時代が遠ざかるに連れて少なくなるものだ。しかし、内容や時期を問わず歴史考証や事実継承の視点から、可能な限り散逸はあってはならない。増して十字軍と言う数百年に渡り戦いが続き、基督世界にもイスラム世界にも大きい影響を与えた大事件の当事者の記録は尚更である。ルイ九世は結果はどうであれ最後の十字軍の主役となり、フランス内政にも力を入れ、中世から近代への脱皮を象徴する時代を生きた人物とも言えるので是非読んでみたい。実際にこの後に教皇のバビロン捕囚や百年戦争、ルネサンス、絶対王政と飛躍的にフランスは発展を遂げていくのだから。(2013/01/15)
  • 新アルメニア史

    【著者】佐藤信夫

    世界で最も古い歴史を持つ民族の一つであるアルメニア人の辿って来た足跡を概観したもの。その古さはノアの箱舟からで、現在もアルメニア系住民は世界屈指の優秀な民族として活躍しているが、コーカサス自体が文明の十字路と言う地政学的に極めて重要な位置にあったにも関わらず日本ではマイナー扱いを逃れられなかったのは非常に残念。こうした書籍があるのは非常に有難いが、目下絶版は愚か出版社も倒産してしまったので、早急な再版が望まれる。内容の良い本が直ぐ希少本となり、そうでないものが長続きするのは、果たして文化大国のあるべき姿であろうか。講談社学術文庫辺りで是非やって欲しい。(2013/01/12)
  • ユダヤ人の起源

    【著者】シュロモー・サンド

    世界史上最大の禁忌(タブー)とも言うべき猶太人の裏面史を赤裸々に、それも同じ猶太人が綴った衝撃的暴露で、この一冊で今迄の歴史通説が転覆するとも言われている超絶大著である。そのことはNHKニュースでも報道済なのに、日本では早々と品切れ=事実上絶版となっているのは頂けないのにも程がある。こんな様で民度や教育の復興なんかは絵空事と思えるのは小生だけだろうか。兎に角読んでみたい。(2013/01/12)
  • 失われたイスラエル10支族

    【著者】ラビ・エリヤフ アビハイル

    嘘か誠かは未だ判然としていないが、基督が日本に来たとか、日本の先祖は猶太人だのと言う「日猶同祖論」は、アトランチスやムー大陸、本能寺の変や龍馬暗殺の様に、歴史上のミステリーとなっている。同論を扱った中で最も至近に出版され、且つTVでも紹介された当本が早々に品切れとなってしまうのは非常に惜しい。学研が版元である以上、学研M文庫で出して貰えないものだろうか。総論だけでなく十支族全てについて事細かに書いているのなら尚更だ。(2013/01/12)
  • 今村均回想録

    【著者】今村均

    第二次世界大戦に参戦した主要国の中で日本は、一般の兵卒や市井の市民による回想談や体験記は沢山出ているものの、幹部クラス(大使とか将軍、大臣レベル)の人が書いたものは殆ど無いと言える。そうした状況を踏まえると当書は、国内で数少ないトップ層の視点でものを見た戦争回顧録と言え、復刊はやっと戦勝国視点で見られっ放しだった戦中史の、日本サイドでの掘り起こしが行われるようになった現在の風潮に対し、大きい一石を投じ得る意義を持っていると思われる。続編もあるのでセットで日の目を見るようにして貰いたい。(2013/01/07)
  • マハーバーラタ 全9巻

    【著者】山際素男

    国家の成立ちから精神文化まで網羅されている、正に「インド版日本書紀、古事記」とも言うべき聖典だが(バガヴァッド・ギーダーはこに一説)、世に出回っているのは全体の一部抜粋版や要約版しかないので、是非完全版の出版が待たれる。インドは有史以来世界史レベルで大きい影響を与え続けている強大なアイデンティティーやレーゾンデートルを持っており、更には現在、政治・経済・軍事面全てでも看過出来ない存在感があるので、今後の混沌としてくるアジア情勢の理解の源流、原点を掴む上でも有益の書ではなかろうか。只、もし再版されるのなら、高価で嵩(かさ)張るハード版より、文庫版の方が売れ行きの点からも効果的であろう。(2013/01/05)
  • 灰色の狼ムスタファ・ケマル―新生トルコの誕生

    【著者】ジャック・ブノア・メシャン (著), 牟田口 義郎 (翻訳)

    トルコを始めとした中近東は歴史的に民族や部族の独立性が強く、其の上に厳しい宗教も相俟って何時もいつでも(今もそうだが)近代国家や市民社会の形成が容易でなく、国家の発展の大きい障害となっている。ケマルはそうした風土の中、更には国を挙げた戦争(第一次大戦)にも敗けて国土の一部が占領されると言う、文字通り十重二十重の災厄の中で奇跡的にも国を一つに纏め上げ、侵入者を追い出し、イスラム教とも一線を画した近代国家を造り上げることに成功した不世出の傑物である。彼の手法は今のトルコも流れを汲み、確かに強権的な側面もあるが、国家存亡時には已む無きとも取れる上、複雑な中東情勢理解としても、正に国難を迎えている日本の国家運営にとっても、参考になる良書ではなかろうか。(2013/01/05)
  • 今夜、自由を

    【著者】D.ラピエール/L.コリンズ

    破竹の勢いで経済成長が進み、軍事的にも存在感を示しつつあるインド。今日の原点は矢張りイギリスからの独立にあることは自明だろう。本書はそんな波乱に満ちた独立前夜を赤裸々に綴った一級資料であると、嘗て学生時代に習った先生に紹介されたが、探してみると既に品切れ(事実上の絶版)になっているのは非常に残念。既にガンジーを始めとする近現代インド史や第二次大戦中の日本軍との協力を描いた作品は読んでいるので、そうした独立へ向けての総決算とも言える本書は是非読んでみたい。早川書房が嘗て文庫として出していたとの由、熱ある出版社での取組が待たれる。桜の花出版とか草思社なんかがやってくれないものか。(2013/01/03)
  • バクトリア王国の興亡

    【著者】前田耕作

    今も昔も中東はその地政学的重要性から世界情勢を左右する力を有し、今後もその位置付けは変らないと思う。その中でペルシャ(イラン)は文明の十字路を占め、エジプトやギリシャ、ローマ以上に近隣に与えた世界史的影響は計り知れない。にも関わらずアレクサンダー大王の敗者扱いされたり、ローマ帝国の隣接国のみとしての登場と、かなりマイナー扱いされがちなのだ。バクトリアはセレウコス朝シリアの後釜として登場し、ギリシャの影響力を排した文明を立上げ、後々のパルティア→ササン朝→イスラム帝国へと続く上での独自のペルシャ文化の原点ともなった王国だ。昨今胡散臭く捉えられがちなイランだが、現状を知るにはこうした古代からの経緯も是非理解しないと語れないであろう。何処かの出版社で出してくれないかなあ。(2013/01/01)
  • パルティアの歴史

    【著者】ニールソン・C・デベボイス 著/小玉新次郎・伊吹寛子 訳

    中東古代史は有史以来と古く、文明の原点であるにも関わらず、トルコもイランもアラビアも一括りにされ、地域単位での集史を纏めた概説書が中々無い(あるのはエジプト位か)のが現状だ。パルティアはローマとも関係があり、アレクサンダー大王帝国分裂後に初めて出来た安定的なペルシャ勢力とも言え、後のササン朝やイスラム帝国に繋がる観点からも後世への影響が絶大だったと言える。何時も何時でも中東は不安定だが、近現代のみならず古代から紐解かないと地域なりが理解できないのではないか。気概ある出版社に再刊を期待したい。(2012/12/25)
  • エジプトマムルーク王朝

    【著者】大原与一郎

    エジプト史と言えば先ずメジャーなのはピラミッド時代だが、その後もプトレマイオス朝やイスラム時代のアイユーブ朝の様に一時代を築いた時期もあったが、全てピラミッド時代と比べてマイナーな存在にされているのは残念だ。元来トルコ系奴隷であったマムルークが中東の要に当るエジプトに王朝を立てる下剋上技をやってのけ、モンゴルも撃退、後の大勢力となるオスマン帝国建国にも陰日向と影響を及ぼす存在となるマムルーク朝の国となりを是非読んでみたい。講談社学術当りで出してくれればいいのに。(2012/12/24)
  • パキスタン独立

    【著者】アーイシャ ジャラール

    世界で最も危険地帯、世界の火薬庫の一つと言われるパキスタン。現在のカオス的状況は既にインドとの分離独立の段階から始まっていたと言える。独立に当ってどんなことをムスリム達は考えていたのか、3度に渡るインドとの紛争や核開発等、どのように不安定の軌跡を辿ったのか、インド現代史は沢山あるが、パキスタン視点での現代史概説は乏しいので大変価値がある。(2012/12/24)
  • シク教―教義と歴史

    【著者】W.O. コウル P.S. サンビー

    元々インド文化に興味があり、多様な同文化の創造の基となっているというべき宗教を理解したい。中々ヒンズー教以外のインド系宗教を専門的に描いている専門書が他に無い為。(2012/12/24)

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