原寸版 初期アメリカ新聞コミック傑作選 1903-1944 (全4巻+別冊)
柴田元幸 監訳
著者 | 柴田元幸 監訳 |
---|---|
出版社 | 創元社 |
ジャンル | コミック・漫画 |
ISBNコード | 9784422700458 |
商品内容
遠大、かつてない選集。
マンガの歴史がいま立ち上がる。
当初は単なる大衆文化の一つを指すに過ぎなかった「マンガ」という呼称は、いつしかアメリカ由来の「コミック」に負けないほど、世界中に通用する単語となり、日本が世界に誇ることのできる数少ない文化商品として、自他共に認めるメインカルチャーの道を歩んでいます。
その「マンガ」の歴史を遡る時、1930年代に花開いたアメリカン・コミックのヒーローや、「ポンチ絵」の源流となるヨーロッパのカリカチュア、あるいは前近代の漫画や戯画に言及することはあっても、モダンな「マンガ」の最大必要条件である、主人公が固定したストーリー性のあるコマ送りマンガの源流に具体的に言及することは、比較的稀でした。
今から1世紀前の20世紀ゼロ年代のこと、英国に代わり世界経済の主役に躍り出んとするアメリカでは、移民労働者層を主要な読者層にすえた大衆紙上に、新聞丸1ページを割いて、「だれでも、見ればわかる/楽しめる」コミック・ストリップ(連続するコマで、物語あるいは小話を語っていく連載マンガの総称)という方法で、「コミック」や現代マンガの起源ともいうべき紙面が毎週大量に生み出されていました。それらの中から、のちに傑作として再評価されることになった作品は、その後のマンガやアニメーションのみならず、あらゆる視覚芸術や文学表現に甚大な影響を与え続けました。
今回選ばれた作品は、その中でも最重要の、まさに"傑作中の傑作"です。造本においても、新聞掲載時のブランケット版オリジナル・サイズと美しいカラーを再現し、掲載当時の迫力をそのままに、日本語で楽しめる豪華版になっています。
また、翻訳に際しては、柴田元幸氏の監修のもと、ユーモアの秀逸さ、発想の豊かさを、想像力と言葉を駆使し、現代に蘇らせました。
マンガ、アニメーションから、美術、文学、新聞・メディアにまで影響を及ぼした、第一級資料。かつてない選集がついに刊行されます。
※限定1,000セット(シリアルNo. 証明書付き)
▼内容
◆『眠りの国のリトル・ニモ』(540×410×23mm・上製・128ページ)
ウィンザー・マッケイ 著 / ピーター・マレスカ 編
柴田元幸監訳 / 上田麻由子 訳
原書:Little Nemo in Slumberland: So Many Splendid Sundays
(Edited by Peter Maresca,2011)
◆『クレイジー・キャット』(425×360×24mm・上製・160ページ)
ジョージ・ヘリマン 著 / ピーター・マレスカ パトリック・マクダネル 編
柴田元幸 訳
原書:Krazy Kat: A Celebration of Sundays
(Edited by Peter Maresca and Patrick McDonnel,2010)
◆『ガソリン・アレーのウォルトとスキージクス』(540×410×20mm・上製・96ページ)
フランク・キング 著 / ピーター・マレスカ 編
柴田元幸 監訳 / 小澤英実 訳
原書:Sundays with Walt and Skeezix
(Edited by Peter Maresca and Chris Ware,2011)
◆『さかさま世界』(270×410×20mm・上製・120ページ)
グスタフ・ヴァービーク 著 / ピーター・マレスカ 編
柴田元幸 監訳 / 平塚隼介 訳
原書:The Upside-Down World of Gustave Verbeek
(Edited by Peter Maresca,2011)
※以上、元出版社はすべてSunday Press Books
◎各巻ごとに全原文&作品解題等を収めた別冊付き(計4冊)
◎収録作品の理解を助ける、「コミック・ストリップ小史」付き(1冊)
◎さらに、限定5大特典付き!
1.『眠りの国のリトル・ニモ』非売品フィギュア(メディコム・トイ製)
2.<新聞復刊>ニューヨーク・ヘラルド
3.『クレイジー・キャット』ポストカード
4.『ガソリン・アレーのウォルトとスキージクス』組立式ペーパー・クラフト
5.『さかさま世界』ポストカード
▼監訳者のことば
■柴田元幸(東京大学大学院人文社会系研究科教授、翻訳家)
◎「信じがたい芸術的開花のなかでも、いまだその輝きを失っていない最高の傑作群である。」
アメリカン・コミックの素晴らしさを語ろうとすると、「どうせスーパーマン、スパイダーマンだろ」と言われていつも悔しい思いをしてきた。でなければ「まあ『ピーナッツ』あたりはけっこう文学的だよね」とか。
だが、20世紀のあけぼのから1930年代あたりまで、アメリカでは新聞漫画のものすごく豊かな世界が広がっていたのである。1ページをまるまる使った、色も構成もストーリーも言葉遣いも凝りに凝った、時に華麗、時に滑稽、だがつねに心に取り憑くとびきり上級のアートを、読者は人気TVドラマを待つように楽しみに待った。よかれあしかれ、新聞の売れ行きも漫画の質によって左右され、新聞社は人気漫画家の争奪戦をくり広げた。
今回このシリーズに収められた作品は、そうした信じがたい芸術的開花のなかでも、いまだその輝きを失っていない最高の傑作群である。『眠りの国のリトル・ニモ』の<たのしい悪夢>を、『クレイジー・キャット』の叙情的にしてシュールな風景を、『ガソリン・アレー』の日常性と芸術性のあざやかな混じりあいを、グスタフ・ヴァービークの視覚的・言語的アクロバットを堪能いただければと思う。
▼推薦者のことば
■荒俣宏(作家)
◎アメリカン・コミックの原点を知って、おどろけ!
マンガが文章の添え物でなく、ページの主役となったとき、現代コミックは誕生するのだが、その母体こそがアメリカの新聞だ。文字が読めない人にも新聞を売る切り札として、あのピュリッツァーが試みたのが、日曜版にカラー印刷の連載マンガを載せることだった。このときついに絵は文章を越えた。以来百年余、コミックストリップが発明した「読める絵」の驚くべき実験成果を一覧すれば、現代マンガよりも過激で、斬新で、ブッ飛んでいる!
■クリス・ウェア(漫画家、『世界一賢い子供、ジミー・コリガン』の著者)
◎芸術史的偉業
数千年前に日本で絵を読む技術が発明されていることを思えば、アメリカの比較的最近ともいえる努力のあとを、創元社が翻訳と贅沢な翻刻に値すると見なし、絵を読む力がそうとうにあると思われる読者層に供してくれることはことのほか喜ばしい。手短かにいうと、日本の読者の皆さんが僕たちの初期のコミックスを楽しんでくれるといいなと思います、僕たちが皆さんのマンガを大好きになったみたいに。
■佐藤卓己(京都大学准教授、メディア史・大衆社会論)
◎メディア史研究における第一級資料
二十世紀は「アメリカの世紀」である。この「イメージの帝国」は複製技術革命graphic revolution(ダニエル・J・ブーアスティン『幻影の時代』東京創元社)によって世界に君臨した。そのパワーの原点が、今回原寸原色で翻訳されたアメリカ新聞コミックである。もちろん、今日では紙面全体を使ったコミック・ストリップは珍しい。しかし、それは新聞そのものが誰が見ても楽しめるコミック的なメディアに変わったために他ならない。メディア史研究における第一級資料の刊行をよろこびたい。
■竹宮惠子(漫画家、京都精華大学マンガ学部長)
◎「Manga」へ連なる原初の流れ
アメリカン・コミックを語る時、大抵の場合、多くの人が知る作品群が取り上げられる。だが、それらの作品にも実はそれ以前の時代がある。次の時代への方向がまだ見えず、だからこそ、混沌とした坩堝の中で醸成される爛熟の時があったはずだ。多くの新聞が妍を競った時期に育てられた、実にパワフルで多種多様なコミックの「提案」の数々。これは、次代のアメリカン・コミック、ひいては「Manga」へ連なる原初の流れとして、是非、多くの人に認識して欲しい作品群である。
■鶴見俊輔(評論家、哲学者)
◎アメリカが世界に送りだしたもの--漫画と映画--
今でも私は夢が英語ではじまると、終わりまで英語で見ます。小学校卒業でアメリカに渡って、日本語を忘れたせいです。「ガソリーン・アレー」が連載中で、おっとりとした味わい。アメリカは移民の国です。だから英語を知らなくても物語に我を忘れることのできる漫画と無声映画がここで育って、ここから世界を巻きこんでいきました。私は日米戦争で交換船に乗って日本に帰ってきましたが、その前に出会った漫画と無声映画とが、今でも夢に戻ってきます。
マンガの歴史がいま立ち上がる。
当初は単なる大衆文化の一つを指すに過ぎなかった「マンガ」という呼称は、いつしかアメリカ由来の「コミック」に負けないほど、世界中に通用する単語となり、日本が世界に誇ることのできる数少ない文化商品として、自他共に認めるメインカルチャーの道を歩んでいます。
その「マンガ」の歴史を遡る時、1930年代に花開いたアメリカン・コミックのヒーローや、「ポンチ絵」の源流となるヨーロッパのカリカチュア、あるいは前近代の漫画や戯画に言及することはあっても、モダンな「マンガ」の最大必要条件である、主人公が固定したストーリー性のあるコマ送りマンガの源流に具体的に言及することは、比較的稀でした。
今から1世紀前の20世紀ゼロ年代のこと、英国に代わり世界経済の主役に躍り出んとするアメリカでは、移民労働者層を主要な読者層にすえた大衆紙上に、新聞丸1ページを割いて、「だれでも、見ればわかる/楽しめる」コミック・ストリップ(連続するコマで、物語あるいは小話を語っていく連載マンガの総称)という方法で、「コミック」や現代マンガの起源ともいうべき紙面が毎週大量に生み出されていました。それらの中から、のちに傑作として再評価されることになった作品は、その後のマンガやアニメーションのみならず、あらゆる視覚芸術や文学表現に甚大な影響を与え続けました。
今回選ばれた作品は、その中でも最重要の、まさに"傑作中の傑作"です。造本においても、新聞掲載時のブランケット版オリジナル・サイズと美しいカラーを再現し、掲載当時の迫力をそのままに、日本語で楽しめる豪華版になっています。
また、翻訳に際しては、柴田元幸氏の監修のもと、ユーモアの秀逸さ、発想の豊かさを、想像力と言葉を駆使し、現代に蘇らせました。
マンガ、アニメーションから、美術、文学、新聞・メディアにまで影響を及ぼした、第一級資料。かつてない選集がついに刊行されます。
※限定1,000セット(シリアルNo. 証明書付き)
▼内容
◆『眠りの国のリトル・ニモ』(540×410×23mm・上製・128ページ)
ウィンザー・マッケイ 著 / ピーター・マレスカ 編
柴田元幸監訳 / 上田麻由子 訳
原書:Little Nemo in Slumberland: So Many Splendid Sundays
(Edited by Peter Maresca,2011)
◆『クレイジー・キャット』(425×360×24mm・上製・160ページ)
ジョージ・ヘリマン 著 / ピーター・マレスカ パトリック・マクダネル 編
柴田元幸 訳
原書:Krazy Kat: A Celebration of Sundays
(Edited by Peter Maresca and Patrick McDonnel,2010)
◆『ガソリン・アレーのウォルトとスキージクス』(540×410×20mm・上製・96ページ)
フランク・キング 著 / ピーター・マレスカ 編
柴田元幸 監訳 / 小澤英実 訳
原書:Sundays with Walt and Skeezix
(Edited by Peter Maresca and Chris Ware,2011)
◆『さかさま世界』(270×410×20mm・上製・120ページ)
グスタフ・ヴァービーク 著 / ピーター・マレスカ 編
柴田元幸 監訳 / 平塚隼介 訳
原書:The Upside-Down World of Gustave Verbeek
(Edited by Peter Maresca,2011)
※以上、元出版社はすべてSunday Press Books
◎各巻ごとに全原文&作品解題等を収めた別冊付き(計4冊)
◎収録作品の理解を助ける、「コミック・ストリップ小史」付き(1冊)
◎さらに、限定5大特典付き!
1.『眠りの国のリトル・ニモ』非売品フィギュア(メディコム・トイ製)
2.<新聞復刊>ニューヨーク・ヘラルド
3.『クレイジー・キャット』ポストカード
4.『ガソリン・アレーのウォルトとスキージクス』組立式ペーパー・クラフト
5.『さかさま世界』ポストカード
▼監訳者のことば
■柴田元幸(東京大学大学院人文社会系研究科教授、翻訳家)
◎「信じがたい芸術的開花のなかでも、いまだその輝きを失っていない最高の傑作群である。」
アメリカン・コミックの素晴らしさを語ろうとすると、「どうせスーパーマン、スパイダーマンだろ」と言われていつも悔しい思いをしてきた。でなければ「まあ『ピーナッツ』あたりはけっこう文学的だよね」とか。
だが、20世紀のあけぼのから1930年代あたりまで、アメリカでは新聞漫画のものすごく豊かな世界が広がっていたのである。1ページをまるまる使った、色も構成もストーリーも言葉遣いも凝りに凝った、時に華麗、時に滑稽、だがつねに心に取り憑くとびきり上級のアートを、読者は人気TVドラマを待つように楽しみに待った。よかれあしかれ、新聞の売れ行きも漫画の質によって左右され、新聞社は人気漫画家の争奪戦をくり広げた。
今回このシリーズに収められた作品は、そうした信じがたい芸術的開花のなかでも、いまだその輝きを失っていない最高の傑作群である。『眠りの国のリトル・ニモ』の<たのしい悪夢>を、『クレイジー・キャット』の叙情的にしてシュールな風景を、『ガソリン・アレー』の日常性と芸術性のあざやかな混じりあいを、グスタフ・ヴァービークの視覚的・言語的アクロバットを堪能いただければと思う。
▼推薦者のことば
■荒俣宏(作家)
◎アメリカン・コミックの原点を知って、おどろけ!
マンガが文章の添え物でなく、ページの主役となったとき、現代コミックは誕生するのだが、その母体こそがアメリカの新聞だ。文字が読めない人にも新聞を売る切り札として、あのピュリッツァーが試みたのが、日曜版にカラー印刷の連載マンガを載せることだった。このときついに絵は文章を越えた。以来百年余、コミックストリップが発明した「読める絵」の驚くべき実験成果を一覧すれば、現代マンガよりも過激で、斬新で、ブッ飛んでいる!
■クリス・ウェア(漫画家、『世界一賢い子供、ジミー・コリガン』の著者)
◎芸術史的偉業
数千年前に日本で絵を読む技術が発明されていることを思えば、アメリカの比較的最近ともいえる努力のあとを、創元社が翻訳と贅沢な翻刻に値すると見なし、絵を読む力がそうとうにあると思われる読者層に供してくれることはことのほか喜ばしい。手短かにいうと、日本の読者の皆さんが僕たちの初期のコミックスを楽しんでくれるといいなと思います、僕たちが皆さんのマンガを大好きになったみたいに。
■佐藤卓己(京都大学准教授、メディア史・大衆社会論)
◎メディア史研究における第一級資料
二十世紀は「アメリカの世紀」である。この「イメージの帝国」は複製技術革命graphic revolution(ダニエル・J・ブーアスティン『幻影の時代』東京創元社)によって世界に君臨した。そのパワーの原点が、今回原寸原色で翻訳されたアメリカ新聞コミックである。もちろん、今日では紙面全体を使ったコミック・ストリップは珍しい。しかし、それは新聞そのものが誰が見ても楽しめるコミック的なメディアに変わったために他ならない。メディア史研究における第一級資料の刊行をよろこびたい。
■竹宮惠子(漫画家、京都精華大学マンガ学部長)
◎「Manga」へ連なる原初の流れ
アメリカン・コミックを語る時、大抵の場合、多くの人が知る作品群が取り上げられる。だが、それらの作品にも実はそれ以前の時代がある。次の時代への方向がまだ見えず、だからこそ、混沌とした坩堝の中で醸成される爛熟の時があったはずだ。多くの新聞が妍を競った時期に育てられた、実にパワフルで多種多様なコミックの「提案」の数々。これは、次代のアメリカン・コミック、ひいては「Manga」へ連なる原初の流れとして、是非、多くの人に認識して欲しい作品群である。
■鶴見俊輔(評論家、哲学者)
◎アメリカが世界に送りだしたもの--漫画と映画--
今でも私は夢が英語ではじまると、終わりまで英語で見ます。小学校卒業でアメリカに渡って、日本語を忘れたせいです。「ガソリーン・アレー」が連載中で、おっとりとした味わい。アメリカは移民の国です。だから英語を知らなくても物語に我を忘れることのできる漫画と無声映画がここで育って、ここから世界を巻きこんでいきました。私は日米戦争で交換船に乗って日本に帰ってきましたが、その前に出会った漫画と無声映画とが、今でも夢に戻ってきます。
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