ガダマーやリクールの流れを汲む解釈学的現象学の立場から『存在と時間』とその「作業場」の姿を鮮やかに浮かび上がらせた画期的な注釈書。

テレビはいかにして過去の声をモノローグからポリフォニーへと変えてきたか。現役プロデューサーが半世紀の番組を総覧したドキュメンタリー論。

20世紀の文明が犯しえた極限的な残虐現場の最前線に出かけていき、その被害者の生命を救うために献身した医師ジュノーの「実戦」記録。

社会人類学の古典とされる名高いトロブリアンド諸島調査のもっとも初期においてなされた調査報告で、島人の信仰面を照射する。

言語、文学、社会、歴史、宗教、思想、さらにパリと地方、人物、出来事、日本との交流など多様なテーマを最新の知見や情報を織りまぜ明快に解説する総合的入門書。

朝鮮や明に現れた偽使たちを派遣した地域勢力から、室町幕府外交体制崩壊の過程を解明。国家と地域の関係を軸に、新たな国際関係像を構築する。

被植民者、ユダヤ人、北アフリカ出身者という三重に屈折した人種差別を受けてきた個人的体験に密着し、現代社会における支配と隷属、抑圧と差別のメカニズムを抉る。

他者あるいは死者とのかかわりの可能性を探りながら、「私とは何か」という問いを深めていく、思索のいとなみを示す。

剣神伝承の一致と対応を対照しつつ、日本神話と印欧諸族の神話との連続性を浮彫にし、比較神話学の方法により文化系統論に新視覚をもたらす。

南九州から奄美・沖繩まで、島々の生活と文化を実地に精査して成った初の南島民俗集成。本巻は、生業・民具・航海（船）・漁業等の有形資料を中心に基層文化を探る。

国際社会を法的に組織するための国際連合や国際司法裁判所は、秩序をもたらす実効を発揮していない。国際法上、自衛権はどう規定されるべきか。 ▼目次 序言 --国内法上の自衛権の概念 --これをそ...

地方文化の伝承基盤とその変容過程を時間-空間の総合的認識において実証的に捉えなおし、歴史学と民俗学の接点に立って地域社会のゆたかな可能性を掘り起こす。

満州事変に始まる大正デモクラシー体制の崩壊過程を、内政と外交の相互関連性に着目しながら分析する。